トランプ米大統領が再び自賛 トヨタが一部車種を米国に移管

一貫する生産体制の方針

 

「トヨタがメキシコからアメリカに拠点を移す。ビッグディール(大きな取引)だ。関税の効果が出ている」――。米・トランプ大統領は自身のSNSで関税政策を自賛した。

 トヨタ自動車が米・テキサス州にある工場の生産ラインを増設するため、総額36億ドル(約5800億円)を投資する。車両の組み立てラインを新設し、メキシコの工場で製造されているピックアップトラック「タコマ」の生産の一部を移管する。

 タコマの大半は米国で販売されており、2025年の販売台数は約27.5万台と前年比で約4割増加と好調。米国の販売台数の1割程度を占めている。トヨタが米国の工場で新設する組み立てラインは30年に稼働予定。約4年間かけて移管し、年間生産能力を現行の約20万台から約35万台へ引き上げる。

 生産拠点を巡っては、トランプ氏とトヨタには因縁がある。17年にトランプ氏が第1次政権の大統領に就任する際、メキシコ工場建設を計画するトヨタに「とんでもない! 米国に工場を建設しろ、さもなければ高い関税を支払え」とSNSで発信。それを受けてトヨタは米国投資を進めた経緯がある。

 トランプ氏は今回のトヨタの決断が自由貿易協定「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」の16年間の延長に米国が同意しなかったことに起因するという見方を示している。メキシコ生産車は米国とメキシコ、カナダの3カ国において、一定の条件を満たせば域内での関税が免除されているが、そこに米国が待ったをかけ、「不透明感が増している」(関係者)のだ。

 ただ、トヨタの生産拠点に対する考え方は当時から変わっていない。「現地の顧客に適した商品を現地開発・現地生産していく」(幹部)というもの。今回も、大半を米国で販売している車種を現地で生産するという考え方に基づいての決断となる。

 その中で社長の近健太氏がかねてより強調しているのが「上昇基調にある損益分岐台数の引き下げ」。今回の投資を含め、今後5年間で最大100億ドル(約1兆6100億円)を米国に投資するトヨタの決断は他メーカーにも影響を与えそうだ。

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