みずほFGがスタートアップと連携 AI活用の中小企業向け融資

AIは与信の審査機能を担えるか?

 

「中堅・中小企業の成長をどう支援していくか。『ともに挑む。ともに実る。』というパーパスを掲げる我々が挑んでいかなければいけない領域だと確信を持っている」と話すのはみずほフィナンシャルグループ社長の木原正裕氏。 

 2026年6月30日、みずほFGとみずほ銀行、グループのUPSIDER(アップサイダー)ホールディングスは、法人向け総合金融サービス「UPSIDER BANK by MIZUHO」を開始したことを発表した。 

 このサービスは中堅・中小企業向けで、最短即日の口座開設、他行宛ての振込手数料は一律100円、法人カードの与信枠をAIの活用で最大10億円としていることに特徴がある。 

 さらに、資金面だけでなく、業務効率化や専門人材とのマッチングサービスなど、企業が成長過程の各段階で抱える課題に対応するサービス。 

 UPSIDERは18年創業のスタートアップ。AIを活用した与信モデル、経理などを手掛ける業務AIによる経営効率化、法人向けクレジットカードの発行などを手掛けている。 

 みずほとUPSIDERは23年11月に合弁で、スタートアップ向けの「デットファンド」を設立するなど協業関係にあったが、25年9月にみずほ銀行の傘下に入った。 

「これまでのみずほとアップサイダーの取り組みで手応えを感じている。両社の掛け算で、中堅・中小企業の挑戦、成長を支えていける」(木原氏) 

 2030年度にはオンライン融資実行額を累計5000億円、口座獲得数累計10万口座を目指す。「企業の成長、挑戦を支える新たな金融インフラへと進化させていく」(みずほ銀行頭取の加藤勝彦氏) 

 中堅・中小企業向け融資では、三井住友FGが25年に総合金融サービス「Trunk」を立ち上げている他、27年には三菱UFJFGも続く予定。だが、メガバンクの中堅・中小向け融資は失敗の歴史。AIという以前にはなかった技術の活用で、その歴史を塗り替えることができるか。市場が重なる地方銀行との関係も含め、注目される。