
コメの価格低下が顕著になっている。農林水産省によると、6月8日~14日のスーパーのコメの平均販売価格(税込み)は、5キログラムで前週より56円(1.5%)安い3588円だった。直近のピーク時(昨年12月29日~今年1月4日、4416円)より2割近く安い水準で、45週ぶりに3600円を下回った。
需給の逼迫による価格高騰から一転して値下がりが続いているものの、今後もコメの調達が不安定になれば企業活動に影響を及ぼしかねない。様々な企業が近年、コメ生産に本格参入している。
外食事業を展開するワタミグループのワタミファーム(千葉県山武市)は今年5月、同県香取市や農事組合法人と水田農業の活性化に関する連携協定を結んだ。ワタミファームが香取市内で地域の担い手としてコメを作り、農事組合法人が技術支援する。生産したコメは、ワタミグループで活用して安定的な販路を確保するとともに、香取産米の知名度やブランドイメージを向上させる狙いもある。
一方、宮城県仙台市を拠点とするアイリスグループのアイリスアグリイノベーションも5月、農家の高齢化や担い手不足の課題を解決するため、農業への参入を決めた。農地リース方式で農地を借り受け、生産したコメはパックご飯として国内販売する。栽培面積は22ヘクタールと小規模でスタートするものの、5年後には全国で計200ヘクタールに拡大する計画で、輸出も視野に入れる。同グループは2013年に精米事業に参入している。
農水省によると、農業を普段の仕事とする基幹的農業従事者のうち、65歳以上が7割を占める。全国の農地の約3割では10年後の担い手が決まっておらず、担い手不足解消に異業種企業による参入の期待も高まりそうだ。