【 農林水産省 】「家計の味方」鶏肉価格高騰 人気メニューは販売変更

鶏肉の価格が高騰している。人気が高く、家計の味方でもある食材だが、根強い需要に昨今の物価高が重なる。

 外食大手サイゼリヤは、6月10日にメニュー改定を実施した。人気メニュー『若鶏のディアボラ風』『柔らかチキンのチーズ焼き』の2品はグランドメニューから姿を消し、今後は差し込みメニューとして販売される。「在庫状況が不安定となっている」(同社)ためで、この2品は3月下旬から約1カ月間、販売を休止していた。

 農林水産省が公表している5月の食品価格動向調査によると、鶏肉(もも肉)の5月11日~13日の全国平均小売価格は100グラムあたり154円で過去最高だった。1年前より10円高く、昨年12月以降は150円台が続く。同調査は全国470の小売店で実施している。

 鈴木憲和農水相は6月2日の記者会見で「昨今の物価高を背景といたしまして、消費者の節約志向により、牛肉や豚肉から、需要が鶏肉にシフトしている。また、一部の外食事業者などが、国産の鶏肉に振り替えていることも、相場を押し上げている」と述べた。農水省の調査によると、2024年度の1人あたりの年間消費量は、鶏肉が14.9キログラムで牛肉(5.9キログラム)の2倍超に上る。豚肉は13.2キログラムだ。鶏肉の消費量は2015年以降、概ね増加傾向にある。

 鶏肉の国内供給量の2~3割が輸入で、国別にみるとブラジルとタイが大半を占める。これまでブラジルの鳥インフルエンザや円安の影響で輸入量が減少する局面もあった。業界関係者によると、世界的な鶏肉需要の高まりを受け、一部の外食業者が国産に振り替えていることも相場を押し上げている要因という。

 高値が続くのは鶏肉に限らない。同省の5月調査では、鶏卵(サイズ混合、1パック10個入り)の全国平均小売価格は309円で、昨年8月以降300円台となっている。

 帝国データバンクによると、6月に値上げを予定している飲料食品は1000を超える。食生活を巡る状況はさらに厳しさを増している。

【 イラン攻撃による原油高騰の余波 】第一ライフ資産運用経済研究所首席エコノミスト・熊野 英生