〝ディール理論〟の危うさ 【 私の雑記帳 】

逆境下にあって…

 この逆境をどう生き抜くか。

 米国・イスラエルによるイラン攻撃で始まった戦争はほぼ1カ月が経つ(3月26日時点)。

 世界中が石油価格や原材料市況の上昇に悩む。米トランプ大統領は「イラン側は協議したがっている」と語る。休戦が近いという期待を込めてか、市場での株価は上昇したりするが、イラン側は「協議の事実はない」と呼応し、今度は株価は下がるという局面(3月26日現在)。

 トランプ氏の言葉一つで、石油・天然ガスなどのエネルギー価格は上下動を繰り返す。

 人類は武力衝突を繰り返してきたわけだが、20世紀前半に起きた2度の世界大戦で『和』を探る動きがあった。第1次大戦後の国際連盟、第2次大戦後の国際連合の設立である。戦争はもう嫌だという気運も各国にあった。

 では、国連(国際連合)が発足した20世紀後半は『和』の世界が定着したのかというと、現実はそうではない。朝鮮戦争(1950年)、キューバ危機(1962年)、ベトナム戦争(1960年代半ばから1975年まで)、さらにはアフガン戦争(1970年代後半)、コソボ紛争(1990年代後半)と争い事は続いた。

 国連が無力だから戦争が起きるのではない。要は、争い事が起きるのは人の世の常として、その現実を認めながらも、それらを極力無くす方向で世の中が動くのかどうかである。

 価値観や考え方が多様化している現実を受け入れ、どう共存・共栄を図っていくかという方向に世のリーダーが動いているかどうかで局面は分かれる。

 ただ、『力の論理』を振りかざして、相手を屈服させ、事を自らの論理に従って進めようとすると、争い事はなかなか治まらない。米トランプ政権の〝ディール(取引)の論理〟が危ういのは、そうしたことだと思う。

【 経済産業省 】過去最大規模の石油備蓄放出 ホルムズ封鎖、供給懸念に対応