
引っ越し業者の繁忙期となる3月中旬から4月上旬を避け、異動職員の転居の時期を分散させるため、国土交通省は財務省に掛け合い、国家公務員の旅費に関するQ&A集を改正してもらった。
「職員と荷物の移動時期を分ける」(金子恭之国交相)のがポイントで、職員がホテル暮らしをしながら新職場で働き、繁忙期を避けて、後から荷物を運ぶ場合に、5夜分までホテル代を出せることが明記された。
旅費法の施行令では、新職場に着任した後に引っ越す職員に対し「着後滞在費」としてホテル代を5夜分まで支給できると規定。ただ、これまでのQ&A集では支給対象として、例えば「4月1日に着任しなければいけないが、新居が5日まで空かないため物理的に入居できない」という場合のみを挙げていた。
改定後は例えば、新居は空いているが引っ越し業者が見つからず5日まで荷物を運び込めない場合や、引っ越し分散に協力するために、あえて5日に荷物を運び込む場合も、支給対象になると明記した。
3月中旬から4月上旬にかけては企業や公務員の異動が集中し、運送業界のドライバー不足による「引っ越し難民」が深刻化。業界を所管する国交省は、できるだけこの時期を避けて転居するよう国民に呼び掛けてきた。昨年から経済団体等を通じて、ピーク時期の引っ越しを避けるなどの要請を行っていると共に、職員の引っ越し時期をずらす方法を模索している。その一環で、同省は旅費法施行令の解釈について財務省に相談していた。
ただ、荷物を運び出すために職員が旧居と新居を往復する交通費については、財務省は経費として認めなかった。旧居に家族が残っていれば荷出しを頼めるが、1人暮らしの場合は自腹で往復する必要がある。国交省担当者は「本当は交通費も出せればよかったのだが……」と打ち明けていた。