半導体市場動向調査会社である米Semiconductor Intelligence(SI)が、2025年の半導体業界全体の設備投資(CapEx)は前年比7%増の1660億ドル、2026年は同20%増の2000億ドルに達するとの予測を発表した。

ファウンドリはTSMCがけん引

2025年のTSMCの設備投資額は409億ドルで業界全体の25%を占め、2026年も前年比27~37%増の520~560億ドルと25%以上を占めると見られている。このほかのファウンドリ企業はGlobalFoundries(GF)が同70%増を見込む以外は横ばいか減少が予測されるという。

イーロン・マスク氏が打ち出した「TERAFAB」構想は、年内にも第一段階の建設が始まる見込みだが、グループ内で全量消費される見通してあり、SIではファウンドリに位置づけている。

  • 半導体大手各社の設備投資額推移

    半導体大手各社の設備投資額推移(予測含む) (出所:SI)

メモリは総じて設備投資を大幅増額

メモリ分野は2026年の全設備投資額の45%を占め最大セグメントになる見込みである。Micron Technologyが同45%増、SK hynixが同42%増と見込まれる。また、Samsung ElectronicsはAI半導体時代のリーダーシップ確保に向けて、2026年に110兆ウォン(約740億ドル)以上の投資を計画。そのうち約340億ドルを研究開発と半導体以外の設備投資に充て、残りの400億ドル(同20%増)を半導体設備投資に充てると推定している。

IDMは全体的に投資を縮小傾向

IDM分野の2025年の設備投資額は同25%減の413億ドルで、2026年も同9%減の375億ドルとしている。減額の要因としては、半導体市場のけん引役がAI半導体となっており、それらはファウンドリもしくはメモリ企業によって供給されており、多くのIDMが蚊帳の外であることが挙げられる。

Intelの2025年の設備投資は同29%減の177億ドルで、2026年も横ばいあるいは減少するとSIは予想している。長年にわたり、同社はSamsungやTSMCとともに、設備投資額のトップ3を形成していたが、2025年にSK hynixに抜かれたほか、2026年にはMicronにも追い抜かれる見込みである。

またTexas Instrumentsも、市場状況を鑑み、2026年の設備投資額を同45%減とする予定だが、パワー半導体を中心に攻勢をかけるSTMicroelectronicsは同17%増、同じくInfineon Technologiesは同55%増と設備投資額を増額すると見られている。

適切な設備投資額をどう考えるか

半導体市場に対する設備投資額はどの程度が適切なのかを過去からこれまでの動向から考えてみると、半導体市場は変動が激しく、過去40年間の年間変動率は1984年の46%増から2001年の32%減まで幅がある。業界が成熟するにつれて変動幅は小さくなってきたものの、近年でも2023年に8%減、2025年に26%増を記録している。

  • 半導体総売上高に占める設備投資総額の割合の推移

    半導体総売上高に占める設備投資総額の割合の推移 (出所:SI)

市場規模に対する設備投資額の比率は最高で34%、最低で12%で、1980年から2025年までの45年のうち30%を超えたのは7回で、直近は2023年の31.1%であったが、SIでは2026年については設備投資の総額が半導体市場全体の成長率を上回ることはないと見ているほか、今後数年にわたって健全な成長が続くのであれば、過剰生産が生じることはないとの見方を示している。