500Wの電力供給が可能なGaN電源ソリューション
ルネサス エレクトロニクスは3月23日、IoT、産業、インフラ向けに500Wまで電力供給を拡張することが可能なGaNベースの半波整流LLC(Half-Wave LLC:HWLLC)ソリューション4製品を開発したことを発表した。
4製品の中で中核に位置付けられているのは、HWLLCとインターリーブPFC(Power Factor Correction)を統合したコンボコントローラ「RRW11011」で、位相シフト制御を搭載したPFC機能により、リップル電流を打ち消し、部品サイズとコストを削減すると同時に、電流バランスの最適化と高い信頼性を確保するという。また、ハーフブリッジGaNゲートドライバ「RRW40120」およびインテリジェントな同期整流コントローラ「RRW43110」は、HWLLCとPFCをベースとする電源設計に共通して使用でき、組み合わせて使用することで500Wまでの拡張を可能とするという。
USB PD EPR対応リファレンスデザインも用意
同社では、これらのトポロジを活用したソリューションとして、最大240WのUSB給電を実現するUSB Power Delivery(PD) Extended Power Range(EPR)規格に対応するリファレンスデザインを提供するとしているほか、4製品目となるUSB PDコントローラ「RRW30120」を組み合わせることで、動作温度を低減しながら、USB PD EPRや他の充電システムで求められる5V~48Vの広い出力電圧範囲を実現できるようになり、この240W USB PD EPR充電器ソリューションでは、3W/cm3と96.5%のピーク効率という業界最高クラスの電力密度を達成できるとしている。
すでに、BelkinのGaNベース充電器にも採用が決まっており、ルネサスの独自技術で、高耐圧のD-mode GaNと低耐圧のSi MOSFETを接続したカスコード構造を採用したSuperGaN D-mode GaN技術ベースのZSP(ゼロスタンバイパワー)チップを搭載するとしている。
なお、ルネサスでは今回発表したHWLLCソリューションについて、従来のLLC方式と比べて、トランスの巻線を削減し、部品点数を低減できるため、設計の複雑さを軽減させるとともに磁気部品の小型化を可能にするため、異なるワット数、出力電圧、フォームファクタの製品ファミリ間での設計再利用が可能となり、信頼性の向上とBOM管理の簡素化にも貢献するとしている。また、4製品のほか、一体型PFC、高効率なAC/DC電力変換、およびUSB PD制御を統合し、コンパクトかつ高電力密度の設計を実現した240W USB PD EPR充電器のリファレンスデザインとなる評価ボード「EBC10293」も用意しているという。
