InfineonがBMWのSDVアーキテクチャ構築に貢献
Infineon Technologies(インフィニオン テクノロジーズ)は2月16日、BMWグループの新世代電気自動車(EV)「Neue Klasse(ノイエ・クラッセ)」のソフトウェア定義車両(SDV)アーキテクチャの形成に協力していることを明らかにした。
さまざまな種類の半導体デバイスを提供
ノイエ・クラッセは、電動化、デジタル化、サステナビリティを組み合わせることでモビリティを再定義するプラットフォームで、車両機能のスケーラビリティとハードウェア変更なしに、OTA(Over-The-Air)/SOTA(Software Over-The-Air)で車両機能を継続的に更新・拡張できるアダプティビティを目的に設計されたE/Eアーキテクチャを採用していることが特徴。同アーキテクチャには、インフィニオンのAURIXマイコンならびにTRAVEOマイコン、BRIGHTLANEイーサネット・コネクティビティ・ソリューション、OPTIREG電源管理IC、SDV向けPROFETスマート・パワー・スイッチおよびeFuseなどが活用されているおり、ソフトウェアをハードウェアから分離することで、ハードウェアの変更なしに、無線(OTA)の機能追加やSOTAを可能にし、BMWが変化する消費者ニーズや規制へ迅速に対応することを可能するという。
走行ダイナミクスの演算基盤を担うインフィニオンのマイコン群
また、同アーキテクチャの中核は、4つの高性能セントラルコンピューティングユニット(セントラルECU)「Superbrains(スーパーブレイン)」であり、そのうちの1つ「Heart of Joy」は加速、制動、操舵といった走行ダイナミクスを、単一の高速コンピュータで統合制御する役割を担っているという。演算基盤はすべてインフィニオンのマイコンで構成されており、中での最新世代となる「AURIX TC4Dx」が中核を担っており、これらの組み合わせにより、従来システムより高速な処理と遅延の最小化ができるようになるため、ドライバはよりスムーズなハンドリングと、よりダイナミックで応答性の高い走行体験を得られるようになるほか、エネルギー回生の最適化により車両の航続距離の延伸も可能にするという。
また、BRIGHTLANEによりイーサネットでHeart of Joyをほかのシステムとシームレスに接続し、最適な性能に必要なリアルタイム応答性を確保しているとする。
残りのスーパーブレインは、「自動運転」、「インフォテインメント」、「車両基本機能の運用」を担っており、これら4つのスーパーブレインは、3つのゾーン・コントロール・ユニット(ZCU)によって支援される構成だが、そのZCUも制御はすべてインフィニオンのマイコンで行われ、データフローと電力分配の最適化を担っているという。
さらに、このゾーン設計は、効率の向上と材料の削減にも寄与しているとのことで、ノイエ・クラッセの最初のモデルであるBMW iX3では、配線ハーネスは従来世代比で総延長が約600m短くすることができ、重量も約30%の軽量化を果たしたという。
加えて、ソフトウェア制御の電力管理をサポートし、車両が電力分配を動的に調整可能にするeFuseを車両1台あたり最大150個の従来型ヒューズから置き換わることで、E/Eアーキテクチャ全体にわたり、インテリジェントで高効率な電力分配を実装することができるようになったともしており、これにより例えば充電、走行、駐車、アップグレードなどの車両の状態に応じて不要な電力消費を抑制できるようになり、エネルギー効率を従来比で約20%向上できたとする。
なお、インフィニオンでは、2月19日に開催予定の年次株主総会にてBMW iX3を披露し、株主に対して今回の貢献などを示す予定だという。
