家電/FAに適用可能なGaNパワーIC

STMicroelectronics(STマイクロエレクトロニクス)は、最新のGaN技術を活用した生活家電や産業機器(FA)のモータ駆動部における電力効率向上、高性能化、コスト削減を可能とするGaNパワーIC「GaNSPIN SiPプラットフォーム」の第1弾製品となる「GANSPIN611」と「GANSPIN612」を発表した。

  • GANSPIN611

    GaNパワーIC「GANSPIN611」のパッケージイメージ (出所:STMicroelectronics)

最大400Wのモータ駆動が可能

同プラットフォームは、汎用のGaNドライバとは異なり、ドライバがハードスイッチングのターンオン時間とターンオフ時間を制御することで、モータの巻線へのストレスを軽減し、電磁ノイズを最小限に抑えることを可能とする。また、10V/nsの公称スルー・レート(dV/dt)により、信頼性を維持し、EU EMC指令などの電磁両立性(EMC)規制への準拠を容易にするともしており、設計者は、両方のGaNドライバのターンオン時のdV/dtを調整することで、モータ特性に応じたスイッチング性能を微調整できるようになるとする。

さらに、オン抵抗(RDS(on))は、GANSPIN611が138mΩ、GANSPIN612が270mΩであり、消費電力とそれに伴う発熱を低減できるため、多くのアプリケーションにおいて電力部品をヒートシンクなしで動作させることができるようになるため、部品点数の削減と同時に、回路の実装面積も最大60%削減でき、基板の小型化やBOMコストの削減を図ることができるようにあるともする。

2製品は、家庭用および産業用のコンプレッサやポンプ、ファン、サーボ・ドライブなどに使われる最大400Wのモータを駆動することを可能とするGaNパワーICであり、ピン配置の互換性を有しているほか、SiPにはドライバ段と、最新世代の650V GaNパワートランジスタを備えたハーフブリッジパワー段を集積しているため3相BLDCモータの駆動が可能なことに加え、ハイサイド回路用のブートストラップ・ダイオードも内蔵しているという。

同社では、低電圧ロックアウト(UVLO)、過電圧、過電流、過熱、およびインターロック保護機能を搭載しているほか、最大20Vの広い入力電圧範囲を備え、既存のパワー段を堅牢かつ容易に変換することができるため、110V~230VのユニバーサルACオフライン電源に対応した生活家電に最適だと説明している。

なお、GANSPIN611はすでに量産中で、9mm×9mmのQFNパッケージにて、単価約4.44ドルから提供されるという。