STマイクロエレクトロニクスは、SiやGaNトランジスタによるAC-DCコンバータの2次側設計の簡略化や、高効率化に貢献する2次側同期整流コントローラ「SRK1004」シリーズを発表した。

  • 「SRK1004」シリーズのパッケージイメージ

    「SRK1004」シリーズのパッケージイメージ (提供:STMicroelectronics)

同シリーズは、電圧検出用の入力耐圧が最大190Vで、ハイサイドまたはローサイド構成の回路に接続できるほか、5.5Vまたは9Vのゲート駆動電圧に対応する4品種が提供されているため、設計に最適な製品を選択することで、ロジックレベルMOSFET、標準MOSFET、GaNトランジスタに対応することが可能だとしている。また、非相補型のアクティブクランプや、共振および疑似共振(QR)フライバックトポロジに適しており、動作を簡略化して消費電力を抑える次世代ターンオフアルゴリズムも採用しているとする。

さらに、最大500kHzの動作周波数により、磁性部品の小型化を図ることができるとするほか、ワイドバンドギャップ半導体としてのGaNトランジスタのメリットを最大限に引き出すことができるとしている。

同社のSOI製造プロセスを採用しており、動作可能な電源電圧の範囲が4V~36Vと広いため、さまざまな出力電圧からの給電が可能なほか、入力電圧範囲が広いことから、効率が最適になるようにステップダウン比を柔軟に調整できることに加え、高速動作の短絡検出回路も内蔵しているため、産業用電源やモバイル充電器、AC-DCアダプタなどにおける信頼性の高い堅牢な電源機器を設計することができるようになると同社では説明している。

なお、「SRK1004A」および「SRK1004B」は、5.5Vのゲート駆動電圧に対応し、ロジックレベルMOSFETまたはGaNトランジスタと使用することが可能。「SRK1004C」および「SRK1004D」は、9Vのゲート駆動電圧に対応し、標準ゲート駆動信号向けに設計されたMOSFETに最適としており、いずれもすでに量産出荷済み。2mm×2mm DFN-6Lパッケージを採用しており、1000個購入時の単価は0.45ドル。それぞれの製品を搭載した評価ボードも各50ドルで提供済みだという。