台TrendForceが11月5日、韓国で「AI-Driven Innovation: The Convergence of Vision, Power, and Intelligence」と題するセミナーを開催。それぞれの市場動向調査担当者が、AIがどのようにディスプレイや自律ロボット、HBM、MLCC、半導体製造などの分野で推進していくかについての解説を行った。
ディスプレイ技術が多様化
ディスプレイ業界の動向について同社は、「韓国では有機EL(OLED)が継続して中核戦略となるがWOLEDとQD-OLEDはテレビよりはモニターに重点を置くべきで、一方のノートPC向けOLEDは高い需要が期待されるが、中国勢による生産投資に加え、インクジェットや非FMMといった新製造プロセスの投入が競争を激化させるだろう。OLEDoS(OLED on Si)は主にVR/MRデバイス向けに使用される一方、シリコンベースのマイクロLED(LEDoS)技術も有望な道筋となる可能性がある」と方向性を示す。
また、ヒューマノイドロボット市場については、「一過性のトレンドではなく、重要な長期成長分野として台頭してきている。世界的な労働力不足の深刻化を背景に、その導入は加速しており、将来的には家庭にも普及していく。現在の総コストの約55%を動作機構が占めているが、ソフトウェアが学習、適応性、拡張性を可能にするコアバリューを提供している。TrendForceは、2032年以降に市場が拡大すると予測しており、早期の戦略的優位性を求める企業にとって2026年が絶好の投資機会となると見ている。競争の焦点はもはや動作そのものではなく、汎用的な自律性とスケーラブルなシステム統合にあり、将来を決定付ける10年を迎えようとしている」と、2026年が今後を左右するタイミングであることを強調する。
CSPの投資拡大でメモリ価格は上昇基調
値上がりが続いているメモリ市場については、「現在の上昇サイクルは、大手CSP(クラウドサービスプロバイダ)による積極的な調達が牽引役であり、供給不足と契約価格の急騰を招いている。CSPの設備投資意欲は旺盛で、長期契約(LTA)の2027年までの延長も検討されているため、需給の不均衡は今後も続くと予想され、メモリの契約価格は2026年も上昇基調を維持する」との予測を示している。
また、MLCCについては、「2026年は、世界経済の不安定化と地政学的緊張の影響を受けつつもAIインフラがけん引役となり、ハイエンド、高温、高電圧MLCCの需要を押し上げる。日本勢と韓国勢は生産能力を拡大させているが、台湾勢と中国勢は投資を抑制している。背景にはノートPCやスマートフォンのAI活用が進まず、民生用電子機器の需要低迷が続いているためである。また米中間の関税高騰とインフレの継続が、ICT業界の成長を抑制することとなり、2026年のMLCC業界は緩やかな成長に留まる」との予測を示す。
このほか、ファウンドリ市場については、2026年に19%の成長率としている。主なけん引役は先端プロセス需要で、先端プロセスだけで見れば成長率は28%としている。一方の成熟プロセスの需要も2026年は高まると予測しているものの、コンシューマー分野での大きなイノベーションの欠如、地域ごとの需要の細分化、そして複数のファウンドリの新規生産能力の稼働開始などから成長の勢いは依然として抑制される状況が続くとみられるとしている。
