NTTドコモビジネス(旧 NTTコミュニケーションズ)、北海道エアポート、ID&E ホールディングス傘下の日本工営、パーソルAVCテクノロジー、パーソルクロステクノロジー、ドコモ・テクノロジは11月5日、総務省事業(令和7年度『地域社会DX推進パッケージ事業』)などに採択されたことに伴い、稚内空港にて除雪車を自動運転走行する実証を11月5日に開始することを発表した。6社は社会課題への貢献効果や事業性を検証する。

  • 実証実験のイメージ

    実証実験のイメージ

実証の背景

生産年齢人口の減少に伴って人材不足が深刻化する中、積雪地域の空港では冬期の安定した空港運営と定時運航の確保に向けて、除雪作業の省人化と自動化の実現が求められている。

道路分野では一般道や高速道路で、除雪作業の省力化および自動化に向けた取り組みが進められているが、空港では限られた時間で滑走路の路面状態の安全基準を満たす除雪作業が行われており、今後も現在の除雪水準を維持するためには空港独自の除雪作業を実現する必要がある。

そこで6社は今回、各社が持つ技術やアセットを融合させ、除雪車両の省力化や自動化に向けた取り組みを行うことで、冬期においても安定した空港運営の実現を目指す。

実証実験の概要

実証では空港内で自動運転除雪車を走行させ、除雪作業の省力化・自動化において技術面と効果面の観点でそれぞれ有用性を評価する。自動運転除雪車をローカル5Gなどを用いて遠隔監視することで、遠隔監視システムの効果検証も実施し、実用化に向けた課題抽出と対応策の具体化を進める。

具体的には、空港除雪車両の走行自動化の実証、遠隔監視システムおよび遠隔監視に必要となる通信環境の構築と有用性の検証、運用体制の検討が行われる。

また、技術面では自動運転技術の精度と通信の安定性を評価し、効果面では空港作業で求められる作業スピードの確保、北海道エアポートはじめ積雪環境の他空港への展開可能性をそれぞれ評価する。