
市場の先行きを見る上で、やはり世界最大の市場である米国の動向は重要です。企業業績は依然強く、新たなイノベーションが生まれ続けています。雇用はやや気がかりではありますが、米国は「強い国」ですから、株価の上昇に違和感はありません。
日本の株価が上昇している要因としてはGDP(国内総生産)の改善、円安水準が維持されていることなどが挙げられます。日経平均株価は円安の恩恵を受ける企業が中心になっていることが大きいと言えます。
ただ、日本の企業業績は米国ほど強くないのが現状ですから、為替が円高に振れれば、大手製造業の株価に影響が出ます。また、日本銀行は利上げを視野に入れています。原理原則で言えば、利上げをする国の株価は上がりづらく、利下げ、金融緩和をする国の方が買われます。
その意味で、米国には利下げ余地があるため、米国株は現状、弱みがないと言っていい状況です。例えば雇用が悪化しても、利下げをすることができます。一方、日本では人口減少が続いており、今後の成長には懐疑的です。
日本を含む先進国は、インフレ率2%を目標に、金融政策を決めています。そこからすると、現在の日本のインフレ率はやや過熱気味にも見えますが、デフレよりは良いので、今後も2~3%のインフレが進む前提で、貯金ではなく資産運用を考える必要があります。
いわゆる「失われた30年」では金利がない時代が続きましたが、本来は金利がある世界が正常です。そして現金の価値は目減りしていきますから、インフレ率と同等か、上回るくらいの資産運用をしていくことが必須になってきます。
国も「資産運用立国」を掲げ、新NISA(少額投資非課税制度)など制度面も整備しました。この環境下で投資をしないという選択肢を取ることは、ある意味で自己責任と言えます。
今、社会保険料負担の増大、給与や退職金の減少など、ネガティブなことが報じられますが、過去から振り返って、今資産を築いている人達が何をしてきたか、それは投資です。
日本株でさえ、この30年間でTOPIXは2.7倍になっていますし、米国株に至っては20倍以上になっています。日本は人口減・高齢者増の中で税、社会保障の負担が高まるのはやむを得ないことですし、企業業績も伸び悩む中で給与も上がりづらい状況です。
しかし、投資であれば、誰でもが取り組めます。これまで以上に、目先の情報に惑わされず、きちんとした投資商品に長期的に投資していくことが重要になります。
投資の基本として「長期・分散・積立」が言われますが、この時の「長期」は10年以上のことを言います。また、ここで言う「分散」とは、資産の分散です。例えば、株式が下落した時に上がりやすい「債券」を組み入れるといったことが大事です。
当社が運用する「GOファンド」は株式の約2.5倍程度の債券を組み入れています。株価が上がっている時ではなく、下がった時こそ、プロの腕の見せ所です。
GOファンドは今年の上半期、日本株、米国株を上回るパフォーマンスを上げています。25年4月のトランプ関税ショックの際も、米国株が5%下落したのに対して、GOファンドは逆に5.9%のプラスリターンでした。こうしたことは差別化要因となっていますし、個人投資家の資産形成に貢献できると自負しています。