Googleは10月7日(現地時間)、AI技術を活用したノーコードのAIミニアプリ開発ツール「Opal」の提供地域を、日本を含む15カ国に拡大すると発表した。

Opalは、Google Labsが実験的に提供している開発ツールで、7月に米国で先行公開されていた。プログラミングの知識がなくても、自然言語による指示だけでAI搭載のミニアプリを作成できる。

当初、開発チームはシンプルなツールの作成に用いられると想定していた。しかし、実際には「YouTube動画のブログ記事化」アプリや「AIトレンド調査」アプリ、「AIサムネイルメーカー」といった、高度で実用的、かつ創造的なアプリが多数開発された。この米国での成功を受け、世界展開を決断したという。

新たに対象となるのは、日本、カナダ、インド、韓国、ベトナム、インドネシア、ブラジル、シンガポール、コロンビア、エルサルバドル、コスタリカ、パナマ、ホンジュラス、アルゼンチン、パキスタン。提供は段階的に展開される。

Opalの仕組み、提供拡大に伴う機能改善

Opalはopal.withgoogle.comから利用でき、ユーザーコミュニティとしてDiscordチャンネルも用意されている。

Opalでユーザーが作成したいアプリの内容を文章で説明すると、Opalは複数のGoogleのAIモデルを活用して、その説明に基づいたアプリを自動生成する。生成後は、エディタパネルで入力、出力、生成ステップといった視覚的なワークフローを確認し、カスタマイズできる。

各ステップをクリックすれば、AIへの指示内容(プロンプト)の確認や編集ができるほか、ツールバーを使って手動で新しいステップを追加することも可能だ。完成したアプリはウェブ上に公開でき、リンクを共有すれば他のユーザーも自身のGoogleアカウントで試すことができる。

今回の提供地域拡大に合わせ、利用者からの要望が多かったデバッグ機能とパフォーマンスの改善も行われた。

デバッグ機能は根本的に見直され、ノーコードの体験は維持しつつ、ビジュアルエディター上でワークフローをステップごとに実行できるようになった。どの工程でエラーが発生したかリアルタイムで表示されるため、問題箇所の特定が容易になり、推測に頼る必要がなくなる。

パフォーマンスの向上により、以前は5秒以上かかることもあったOpalの新規作成が大幅に短縮された。さらに、複数の工程を同時に処理する並列実行機能が追加され、複雑なワークフローでも全体の待ち時間が削減される。