三井住友フィナンシャルグループは10月6日、同社の生成AIアシスタントツール「SMBC-GAI」にRAG(Retrieval-Augmented Generation)技術を活用した機能を実装したことを発表した。
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三井住友フィナンシャルグループ公式Webサイト
2023年7月に開発した「SMBC-GAI」は、Microsoft Teamsに常駐するAIアシスタントとしてセキュアなAzure OpenAI Serviceを用いた環境で構築している。メールの下地作成、文章の要約や翻訳からプログラミング言語のソースコードの生成と多様なシーンで利用され、2024年3月の段階で"2秒に1回"利用されるツールへと成長している(SMBCのDXメディア「DX-link」)。
今回実装したRAG機能では、社内規程や通達、業務マニュアルなど約130万件におよぶファイルをインデックス化しており、同社によれば学習ファイルの量や使用人数において国内最大級規模のRAG技術活用事例になるという。データの量や精度が豊富であるほど生成AIでの回答が充実したものになるはずだが、歴史や規模がある企業であるからこそ抽出できる情報も多くなる。
インターネット上では生成AIによる利便性が浸透しているが、社内情報についてはまだまだ遠く及ばない。社内規則や各種申請手続き、発注・検収などの経理業務や支払い先や売り上げ登録などの方法が、AIによる自然言語で得られれば、真の業務に専念できると思う人も多いのではないだろうか。煩雑な手続きや情報の検索に埋没させられると、専門性や多様性を生かした真の業務も遮られる。国内最大規模のRAG技術活用が、新たな働き方を抽出してくれるのかもしれない。