RX Japanは10月1日~3日、幕張メッセ(千葉県)で「第1回 医療DX・IT EXPO 東京」を開催した。同イベントには、電子カルテ、遠隔接客サービス、電話自動応答システムなど最新の技術・サービスが一堂に集結した。
同展示会には、マウスコンピューターも出展。17.3型ノートPC「mouse F7」や14型のノートPC「MousePro C」、15.6型のホワイトカラーのノートPC「MousePro L5」のほか、コンパクトデスクトップPC「MousePro CR」、クリエイター向けフラグシップモデル「DAIV FX」などを展示した。以下、同社のブースについてお届けしよう。
ノートPCはオールインを中心に展示
まずは、ノートPC「mouse F7」「MousePro C」「MousePro L5」を紹介しよう。
オールインワンの17.3型「mouse F7」
「mouse F7」はオールインワンのノートPC。オールインワンは市場では16型までが主流で、17インチのノートPCが少なく、スペックのバランスも良いため、同製品は医療事務用として人気だという。
加えて、医療事務ではCTやMRIなどの大容量の画像を扱うことも多いので、DVDスーパーマルチドライブが標準で付属するタイプがニーズとして高いとのこと。DVDスーパーマルチドライブは、ブルーレイディスクドライブに選択可能だ。
「mouse F7」は、インタフェースが多いことも特徴だ。一般的なHDMIやUSB Type-C以外にも、USB Type-A、SDカードスロット、有線LANのほか、今となってはレガシーなD-sub端子も搭載する。旧型ディスプレイも利用できることから、D-sub端子のニーズは根強いという。同製品では、HDMI、USB Type-C、D-sub端子の3台の外部ディスプレイに出力でき、本体と合わせて最大4画面出力に対応する。
14型「MousePro C」
「MousePro C」は、14型の持ち歩くことが前提のノートPC、外回りの営業などがターゲットとなる。担当者によれば、同社はCPUやグラフィックスが高性能なハイエンドマシンを提供しているイメージが強いが、こうした一般ビジネスマン向けPCの人気も高まってきているという。
「MousePro C」は、あらかじめ管理者が使用可能な機能や操作を限定する「ロックダウン機能」などを実装するWindows 10 IoT Enterprise搭載。複数人が交代で使用する製造の現場や受付端末など特定の用途向けに適している。
15.6型「MousePro L5」
「MousePro L5」はDVDスーパーマルチドライブ搭載(ブルーレイディスクドライブを選択可)の15.6型のノートPCで、同社で最も売れ筋のオールインワン。本体色がホワイトで、医療の現場になじみやすく、受け付けや病院内の診察室、ナースステーションでの利用を想定しているという。
有線LAN端子を搭載することで、無線環境を使用できない場合でもネットワークワークが利用でき、SDメモリーカードリーダーやD-sub端子も搭載する。また、バッテリーが着脱式ため、予備に差し替えれば、長時間駆動も可能になる。
デスクトップPCは、コンパクトモデルやDAIVブランドを展示
デスクトップPCからは、コンパクトデスクトップPC「MousePro CR」、クリエイター向けPCのフラグシップモデル「DAIV FX」が展示されていた。
コンパクトデスクトップPC「MousePro CR」
デスクトップPIのコンパクトモデルとして展示されていたのは、横幅28mmのコンパクトデスクトップPC「MousePro CR」。本体はディスプレイの背面へ取り付け可能(VESA規格対応マウントを標準付属)で、より省スペースで利用できる。看護学校など教育用途での人気も高いという。
HDMIとD-sub端子を装備し、高解像度に対応したHDMI端子は、4Kサイズを出力可能となっている。USBポートとしてType-A / Type-C の両方を採用し、前面に5個、背面に2個のポートを搭載。コンパクトながら幅広いデバイスを接続できる。また、標準で3年間無償センドバック保証が付属し、最大で5年間まで延長することができる。医療用途では、長期保証に関する問い合わせも多いという。
もう一つおもしろい特徴がキーボード入力でPCを起動できること。BIOSを設定変更した後、キーボードを特定のUSBポートに挿して特定のキー入力を行うと、PCを起動させることが可能になる。電源ボタンを押す必要がなくなるため、無線デバイスを接続して、PC本体を離れた位置に置いて起動させるといった使い方ができるようになる。
クリエイター向けPCのフラグシップモデル「DAIV FX」
3Dソフトの開発用途として展示されていたのが、クリエイター向けPCのフラグシップモデルの「DAIV FX」(DAIV FX-I7N40)だ。
CPUはインテル Core Ultra 7 プロセッサー 265Kで、グラフィックスはNVIDIA RTX 4000 Ada 世代。Thunderbolt 410GbE LANも搭載する。ハイスペックなパーツも搭載可能な大型シャーシで、ケースファンを最大6個搭載可能。フロント左右とトップカバー全面に設けられたスリットから空気を取り入れるというエアフローになっている。CPUは水冷のため、静音性に優れ、集中して作業したいというクリエイターに人気だという。
医療システム「DSR View」に採用された「MousePro BP-I7N20」
展示会場でひときわ目立っていたのは、空間再現ディスプレイに医療用ソフトウェアを搭載した「DSR View」。これはソニーの空間再現ディスプレイ「ELF-SR」に神奈川歯科大学大学院XR研究所が開発したソフトウェアを搭載した製品。同製品はCT/MRI/CBCTから出力されたDICOMデータを読み込み、立体表示できる。眼鏡をかけることなく裸眼で利用できる点が特徴。
立体で見える仕組みは、カメラが右目と左目の位置を常にトレースし、右目と左目の映像を、ディスプレイを見ている人の右目の位置に合わせて右目の映像だけを送ることを行っているためだという。
右目、左目が動けば、その動いた位置に合わせて映像を作って送っているため、ある程度、PCの性能が高くないとスムーズに表示できないということで、マウスコンピューターのPCとの相性が良いという。
用途で一番多いのは手術前のシミュレーションで、「心臓に穴が空いていないか」「血管がどうなっているか」などを事前に確認するという。
展示会場で「DSR View」の処理端末として利用されていたのは、排熱設計に優れた、グラフィックス搭載ビジネス向けデスクトップPC「MousePro BP-I7N20」。CPU はインテル Core Ultra 7 プロセッサー 265、グラフィックスはNVIDIA RTX 2000 Ada 世代を搭載する。
マウスコンピューター 第一営業本部 営業推進部 宮本壮人(さかひと)氏によれば、同社が医療系の展示会に出展するのは、今回が初だという。ゲームマシンとして定評のある同社のPCは、高いグラフィックス性能を求める医療業界と相性がよく、これまでの販売実績も好調だという。今回の出展を機にニーズを確認した上で、今後は医療業界にも力を入れていくという。










