アクセルスペースHDが上場 赤字続く宇宙事業の手腕は?

日本に100社以上あると言われる宇宙スタートアップ。そのうちの老舗企業が8月13日に東証グロース市場に上場した。

「宇宙は夢やロマンとして語られることが多く、まだまだ暮らしから遠い存在だが、当社の事業を通して、そうした認識を変え、宇宙を普通の場所にしたい」─。アクセルスペースホールディングス(HD)CEOの中村友哉氏はこう意気込む。

 同日の同社株価の終値は公開価格を8割上回る674円を付け、時価総額は431億円。翌14日もストップ高(774円)となった。同社は2008年の設立。小型の地球観測衛星を打ち上げ、衛星画像を毎日撮影するサービスが主力となる。

 東京大学大学院で中村氏がウェザーニューズの衛星を受託して事業をスタート。これまで11機の小型人工衛星の開発、打ち上げ、運用した実績がある。スタートアップでJAXA(宇宙航空研究開発機構)の人工衛星を開発したのも同社が初めて。

 同社は主に2つの事業を手掛ける。1つ目の「アクセルライナー」は人工衛星の開発事業だ。「17年間、小型衛星をより安く、早く作る技術を築き上げてきた」(同)。単に開発するだけでなく、政府からの許認可取得や周波数調整などの手続きも含めてワンストップで提供できる。

 2つ目が「アクセルグローブ」。同社が打ち上げた複数の地球観測衛星「グルース」から得られた光学画像や画像を使ったソリューションを提供する事業だ。22年5月期に5機体制になってから業績が伸びており、顧客は民間企業が過半数を占める。

 ただ、足元の業績は赤字。宇宙事業は技術面での難易度が高いだけに、常にリスクと隣り合わせだ。月面着陸を試みていたispaceは2回目の失敗を重ねており、宇宙ごみ除去サービスの開発に取り組むアストロスケールHDも赤字が続く。

 アクセルスペースHDではアクセルグローブによるデータの精度を上げることで、金融や不動産、資源開発などの他の産業用途への拡大を狙う。早期の黒字化が目下の課題となる。

 ロマンがビジネスに変わるためには、もう一段の資金調達と技術革新が求められる。

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