米IBMとHonda(ホンダ、本田技研工業)は5月14日(現地時間)、将来的なSDV(ソフトウェアデファインドビークル)の実現に向けて、処理能力や消費電力、半導体設計の複雑化などの課題を解決するため、次世代半導体・ソフトウェア技術の長期的な共同研究開発に関する覚書を締結した。
共同研究開発の概要
2030年以降、社会全体で知能化/AI技術の活用が加速し、モビリティでもこれらを用いたSDVが主流になると見込まれおり、従来のモビリティに比べて、求められる処理能力やそれに伴う消費電力の高まりに加え、半導体設計の複雑化が予測されている。
両社はこれらの課題を解決し、競争力の高いSDVを実現するために、次世代の半導体やソフトウェア技術を研究開発力をつけることが重要であるとの認識にもとづき、覚書の締結に至った。
今回の覚書では共同研究の可能性のある領域が示されており、具体的には処理能力の向上と消費電力低減の両立を目指し、ブレインインスパイアードコンピューティング(脳の構造と機能を模倣し、半導体チップに最適化されたコンピュータアーキテクチャとアルゴリズム)やチップレットなどの半導体技術の共同研究開発を検討する。
ソフトウェア技術については、ハードウェアとの協調最適化による製品の高性能化や、開発期間の短縮化を目指します。さらに、複雑化する半導体設計を適切に管理するためのオープンで柔軟なソフトウェアソリューションを検討していく。
両社は、協業を通じて、世界最高レベルの処理速度と省電力性能を備えたSDVの実現を目指す考えだ。