ネスレ日本は2月21日、日本貨物鉄道およびそのグループ会社である全国通運、日本運輸倉庫(以下、JR貨物グループ)と共に、長距離輸送を対象としてきた貨物鉄道による輸送を中距離輸送にも拡大することを明らかにした。2月から静岡-大阪間における「ネスカフェ ボトルコーヒー」の定期貨物鉄道輸送を開始。

  • 両社による式典の様子

    両社による式典の様子

ネスレ日本はモーダルシフトを推進

ネスレ日本はバリューチェーン全体を通じて環境に配慮する取り組みを行っており、物流分野において二酸化炭素排出量の低減のためにトラックから貨物鉄道や船舶などに輸送を切り替える、「モーダルシフト」を推進している。ネスレ日本とJR貨物グループは2023年9月に持続可能な物流構築に向けたパートナーシップを締結していた。

貨物鉄道や船舶を用いた輸送は一度に大量輸送が可能となり、トラック輸送よりも環境負荷が小さいだけでなく、トラックドライバーの長距離走行を減らして効率よく輸送作業を行えるため、トラックドライバーの負担軽減の一助にもなると期待される。

年900トンの二酸化炭素排出を削減

モーダルシフトは長距離になるほど効率的な輸送が期待できるため、これまでは走行距離500キロメートル以上の長距離輸送が中心となっていた。今回ネスレ日本とJR貨物グループは、走行距離200から350キロメートルを中心とする500キロメートル以下の中距離輸送においても新たな輸送網の構築に取り組む。

ネスレ日本 島田工場(静岡県 島田市)からJR貨物百済貨物ターミナル駅(大阪府 大阪市)を経由した関西方面への「ネスカフェ ボトルコーヒー」の中距離帯での定期貨物鉄道輸送を開始する。この取り組みの開始により、静岡エリアから関西エリアへの1日当たり200トンのトラック輸送を鉄道へ移行することとなり、年間の二酸化炭素排出量を約900トン削減できる見込みとのことだ。

  • 輸送の模式図

    輸送の模式図