JR貨物とJR東日本コンサルタンツは6月16日、KDDI協力のもと、貨物列車の安全性向上を目的に、IoTを活用した「手ブレーキ検知システム」を共同開発したと発表した。JR貨物は、同システムを約7,200両ある全てのコンテナ車へ、2020年度下期から順次導入するという。

JR貨物では、貨物駅構内の作業として、列車が発車する前に、担当社員がコンテナ車の手ブレーキを都度確認して手動解除しているという。万が一、手ブレーキの解除漏れが発生すると、車両の引きずりなどの事象が発生するため、同システムは、手ブレーキがかかったまま列車が出発しようとすると、IoT端末から取得する手ブレーキ情報をもとに、運転士と担当社員にアラームを通知することで、事象の発生の未然防止につながる。

  • 「手ブレーキ検知システム」概念図

具体的な仕組みとしては、まず、手ブレーキの状態を検知する通信装置が内蔵されたIoT端末をコンテナ車1両ごとに設置し、KDDIが提供するIoT向け通信技術であるLPWA (LTE-M) を通じて、手ブレーキの状態データを自動的に地上サーバーに伝送する。伝送されたデータは、JR貨物の社内システムと連携し、列車番号と紐づくデータとなり、手ブレーキの状況が確認可能になるとのこと。

3社は、今後も持続可能な社会を目指すとともに、鉄道事業の基盤である安全の確保に向けて、さらなる取り組みを進めていく方針だ。