NTTデータは9月11日、Scope3算定の支援を目的として、温室効果ガス(以下、GHG)排出量可視化ソリューション「C-Turtle(シータートル)」について、すでに導入している企業と取引関係にある中小企業に対し2024年1月から無償提供することを明らかにした。

無償提供の対象となる中小企業は、「算定対象年度の売り上げが30億円未満であること」と、「C-Turtle導入企業からの紹介であること」または「SHK制度対象企業であること」のどちらかの条件を満たす必要がある。

現在は脱炭素社会の実現に向けて、GHG排出量の可視化に多くの企業が取り組み始めている。しかし、その可視化に当たっては自社の排出量であるScope1および2だけでなく、自社の活動に関連する他社の排出量であるScope3の算定も求められる。

その一方で、各産業におけるサプライチェーンの多くを占める中小企業では、コストや作業負荷の観点から特にScope3の排出量可視化に対する取り組みが進んでいない課題もある。

そこでNTTデータは、中小企業における排出量可視化はサプライチェーン全体における各社のScope3算出の精度向上につながるとして、社会全体での排出量可視化の精度向上と削減に向けた活動支援を目的として、C-turtleを中小事業者に対し無償提供するのだという。

C-Turtleとは、Scope3算定を実現するGHG排出量可視化プラットフォームだ。Scope3の算定にサプライヤーの排出量の実測値(一次データ)を活用し、サプライヤーの削減努力を自社排出量に取り込むことができる「総排出量配分方式」を採用しているという。これによりサプライヤーの排出量可視化状況が明確になり、GHG排出量の算定・削減の推進を可能にしている。