SK hynixが4月26日に2023年第1四半期(1〜3月期)の決算業績を発表した。
それによると連結売上高は、前年同期比58%減の5兆881億ウォン、営業損益は3兆4023億ウォンの赤字、最終損益は2兆5855億ウォンの赤字となり、2四半期連続で過去最大の四半期別営業赤字を計上した。
パソコンなどIT(情報技術)製品全般の需要が減少、それに伴う半導体メモリの在庫の上昇、価格下落という負のスパイラルにより、1兆ウォン規模の在庫評価損を計上したという。同社によると、DRAMの出荷価格は前四半期比で15〜20%ほどの下落、NAND型フラッシュメモリは同10%程度の下落となったという。同社ではメモリの生産調整を継続するという。
SK hynixでは、「メモリ不況が第1四半期まで続いたため、需要の低迷と製品価格の下落により、収益が減少し、営業損失が拡大した。しかし、販売量が徐々に増加することで、収益は第1四半期に底を打ち、第2四半期には回復すると予想している」と説明している。また、ChatGPTを含む人工知能向けの高性能サーバ市場の成長と、顧客による大容量メモリ製品の幅広い採用が今後市場にプラスの影響を与えるとの予想を示している。
こうした予想から同社では、サーバDRAM(DDR5)およびHBMを含む高性能DRAM製品、およびNANDにおける176層SSDおよびμMCP(DRAMやNANDを1パッケージに収めた製品)の販売に集中する計画であり、ハイエンドメモリ製品への投資は維持するとしているほか、1β-nm DRAM(10nm級テクノロジの第5世代品)および238層3D NANDの量産に向けた投資も行い、市況の改善を踏まえた迅速な事業転換を図るともしている。
なお同社 最高財務責任者であるKim Woohyun氏は、「SK hynixは、DDR5/LPDDR5やHBM3など、2023年から需要の伸びが見られる製品ラインアップで最高の競争力を確保しており、プレミアム市場での優位性を確固たるものにする。依然として厳しい状況にあるメモリ市場だが底を打ったと見ており、市場はすぐにバランスを取り戻すと信じている。収益性の改善と技術開発に注力することで、企業価値の回復に全力を尽くす」と強気の発言をしている。