識学は3月16日、2月9日~13日の期間で、全国の従業員数10名以上の企業に勤める20歳~59歳の男女を対象に実施した「賃上げに関する調査」の結果を発表した。有効回答数は会社員が150名、会社経営者・役員が150名。

「勤務先で2023年に賃上げを予定していますか。もしくは、すでに賃上げされましたか(2022年1月~2023年2月にかけて)」という質問をしたところ、すでに「賃上げされた」は21.3%、「賃上げ予定」は29.0%となっており、この2つを合計して「賃上げした(予定)」企業は50.3%という結果になった。

また上記の質問で「賃上げした(予定)」と回答した経営者・役員に賃上げした理由を聞くと、最も多かったのは「社員の士気を上げたいから」で74.4%だった。次いで「物価が高騰しているから」が48.8%で、社員の生活を考慮して賃上げをしている企業が多く見られる結果となった。

  • 賃上げをした理由 引用:賃上げに関する調査(識学)

一方で、賃上げを予定していない企業の経営者・役員に「賃上げできない理由をお答えください」と理由を聞くと、「業績が伴わないから」が60.9%で2位以下の理由を大きく引き離しており、「賃上げは業績が伴ってから」と考える経営者・役員が多いことが分かった。

しかし、賃上げを予定していない企業の会社員に「あなたは賃上げしてほしいと思いますか」と聞くと、「賃上げしてほしい」と回答したのが80.0%と圧倒的だったのは当然として、16.5%が「賃上げしてほしいが諦めている」と回答する結果となった。

  • 賃上げをした理由 引用:賃上げに関する調査(識学)

また賃上げされないことへの不安について聞くと、「不安に思う(とても不安に思う・やや不安に思う)」という回答が83.5%に上っている。具体的には「何もかもが値上がりして負担が大きい」「物価が上昇しているのに賃上げされないと生活の質が低下していく」「物価が上昇して、給料が全然上がってないので将来的な貯金が出来ないのが心配」といった声が集まっている。