Infineon Technologiesの日本法人であるインフィニオン テクノロジーズ ジャパンは11月22日、同社が11月9日付で発表した、産業用ドライブ、電気自動車(EV)充電、電動二輪車、ロボットなどの高度な産業アプリケーション向け32ビットマイコン「XMC7000ファミリ」の説明会を実施。その特長などの説明を行った。
同ファミリは、Arm Cortex-M7を1コアもしくは2コア(動作周波数:最大350MHz)とArm Cortex-MO+(同100MHz)を搭載しているほか、最大8MBの組み込みフラッシュと最大1MBのオンチップSRAMも搭載。2.7~5.5Vで動作し、動作温度範囲-40~+125℃としている。
Cortex-M7とCortex-M0+の大まかな役割分担としては、Cortex-M0+はセキュリティの要となる暗号化エンジンとして活用され、汎用プロセッサとしての処理はCortex-M7側が担当する。また、Cortex-M7をデュアルコアとした場合、ネットワークとモーター制御といったリアルタイム性を確保する必要があるときに活用されるイメージだと同社では説明している。Cortex-MシリーズにはArm v8-Mアーキテクチャを採用したCortex-M33やM55などがあるが、パフォーマンスとリアルタイム性の兼ね合いを考えた場合、Cortex-M7が一番バランスが良いと判断し、同シリーズではCortex-M7とCortex-M0+の組み合わせ構成としたと説明している。
シリーズとしては、4MBフラッシュ/768KB RAMで250MHz動作(1コア/2コア)のMXC7100シリーズと、8MBフラッシュ/1MB RAMで350MHz動作(1コア/2コア)のMXC7200シリーズの2シリーズを用意。いずれも176ピンのQFPや、272ピンのBGAなどで提供される。
産業機器向けとしてインタフェースはCAN FDやSCB(シリアル通信ブロック)、Gbイーサネット、SMIFなどを用意。12ビット逐次比較型ADC(SAR ADC)も3ユニット搭載しているほか、TCPWM(タイマー/カウンター/パルス幅変調)も搭載している。
また、40nm組み込みフラッシュプロセスを用いて製造され、最大8μAまでの低消費電力モードも搭載。開発プラットフォームは「ModusToolbox 3.0」に対応しているという。
なお、XMC7000ファミリはすでに受注を開始済みだという。