StellantisとSiCパワー半導体供給で契約

また、同時期にInfineonは、StellantisとSiCパワー半導体の複数年にわたる供給協力に向けた第一歩として、拘束力のない覚書を締結したことも発表している。

Infineonは、SiC半導体の供給先を確保し、2020年代後半にCoolSiCベアダイチップをStellantisの直接のTier1サプライヤに供給することになり、潜在的な調達量と確保される供給能力は、10億ユーロ相当を上回るとしている。

具体的には、Stellantis傘下ブランドの電気自動車に向けてCoolSiC Gen2p 1200VおよびCoolSiC Gen2p 750Vチップの提供に向けた協議を進めているとのことで、これによりStellantisのプラットフォームが標準化されるという。

なお、InfineonはSiCデバイスの生産を、オーストリアのフィラッハにて行っているが、2022年6月よりマレーシアのクリムにてSiC/GaN向け新工場の建設を進めており、こちらは2024年後半に稼働開始予定としている。この新工場が稼働すると、年間20億ユーロの売上増となる見込みだとのことで、今後はオーストリアとマレーシアの2拠点でSiC/GaNデバイスの生産を進め、サプライチェーンの強靭化を図っていく方針だという。