SHIFTは10月18日、2022年1月に学校教育機関および教育サービス提供企業に所属する正社員を対象として実施した、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の取り組み状況に関する調査の結果を「教育業界におけるDXの実態調査(教育DXの推進状況と課題)」として発表した。

所属組織のデジタル化やDXについて聞いた質問では、73%の学校ではデジタル化やDXが進んでいる傾向にあることが明らかになったという。同社は、この結果について、文部科学省が推進するGIGAスクール構想において学生に1人1台の端末を用意し、ICT端末を活用した教育環境を整備する方針を掲げ、インフラ整備にとどまらず、デジタル教科書などソフト面の充実や指導体制の強化なども推進していることや、コロナ禍によってオンライン授業へのニーズが急激に高まり、インフラ整備が加速してきたことを要因として挙げている。

  • 所属組織のデジタル化やDX について 引用:教育業界におけるDXの実態調査(教育DXの推進状況と課題)

また、現在取り組んでいるデジタル化やDXの施策については、「授業のオンライン化」に関する回答が38%で最多となり、「学生のインフラ整備」「管理者の作業効率化」がそれぞれ25%と続く結果に。

タブレット端末の配布を含めた環境整備や、既存授業のオンライン化を進めている組織が目立つほか、教師や管理者が校務のペーパーレス化を進める、業務効率化の回答も多く集まっている。

しかしその一方で、教育DXの中心となるべき教育の質を高めるような施策を行っているという回答は少なく、いくつかの組織で、個別指導プログラムや、学習状況管理システムの導入といった回答があるにとどまっているという。

  • 現在取り組んでいるデジタル化やDXの施策 引用:教育業界におけるDXの実態調査(教育DXの推進状況と課題)

また、DX推進の課題として最も多く挙がったのが「DX推進のノウハウをもった人材がいない/もしくは少ない」という回答で、33%を占めているという。次いで「既存の業務で手一杯」という回答も多いほか、「予算が足りない」あるいは「取っていない」という組織も多いという結果に。同社はこの結果について、競争が激化する教育業界において、DX推進が競争優位性につながる施策として求められているものの、そこに経営資源が割り当てられていないことが推進の妨げとなっている可能性があるとの見方を示している。

  • DX推進の課題 引用:教育業界におけるDXの実態調査(教育DXの推進状況と課題)