三菱UFJ信託銀行とMILIZEは7月4日、投資関連情報の抽出および分析作業の効率化が可能なラベリングシステムを共同開発したと発表した。

同システムでは、自然言語処理技術のひとつである「BERTモデル」を用いたAIを活用しており、特定の情報の抽出および優先順位付けを行うことができる。開発したAIモデルによる分析結果などが閲覧できるユーザーインターフェース画面も作成しているため、関係部門のユーザーがWeb上で日々のアラートを確認したり、企業やキーワードによる検索をしたりすることもできる。

  • ラベリングシステムの画面イメージ

    ラベリングシステムの画面イメージ

同システムは三菱UFJ信託銀行の市場運用業務における、投資の意思決定などに情報の収集、分析に活用することで、投資判断に影響を与え得る重要なネガティブニュースの抽出、吟味・分析などの業務効率化を目的に開発された。

例えば、同システムでは、多様な情報ソースから日々配信されるビジネス関連情報がスクリーニングされる。そのうち、金融専門用語や特有な文脈を有するものに対して、機械学習モデルが特定の企業や組織などの「投資・経済活動」に関連する記事と、「アンチ・マネーロンダリング、経済制裁」に関連する記事などをネガティブニュースとしてラベリング・優先順位付けを行うことができる。

ラベリング・優先順位付けされたニュースは担当者によって精査される。誤った予測データが発見された場合は正しいラベルに貼り替え、教師データとして登録することで、モデルが再学習され精度を向上させることができる。

両社は市場運用業務におけるニュース分析、デューデリジェンス・プロセスの効率化に向けた新たな取り組みとして、今般共同開発したシステムの実務検証および実用化の検討を進める。