Micron Technologyは6月21日(独時間)、ニュルンベルグにて開催されている展示会「Embedded World 2022」にて、176層3D NANDを用いた産業グレードのビデオセキュリティ用に設計された記録容量1.5TBを実現したmicroSDカード「i400」のサンプル出荷を発表した。また、同社のLPDDR5 DRAMメモリがISO 26262で定義されたASIL-Dを取得したことも併せて発表した。

1.5TBで最大4か月の動画を録画可能に

i400の1.5TBという容量は、最大4か月(120日間)の監視カメラによる録画を可能とすると同社では説明しており、それによりユーザーはクラウドに転送するデータの最適化を図ることができるようになり、ネットワーク帯域の低減や運用コストの削減を図ることができるようになるとする。

  • 容量1.5TBのmicroSDカードの外観

    容量1.5TBのmicroSDカードの外観 (提供:Micron)

また、「24時間365日連続で高品質な録画を5年間継続可能」、「4K動画の録画とライセンスプレートや顔認識などのオブジェクト検出や分類など、1秒あたり最大8つのAIイベントを同時に処理可能」、「平均故障間隔時間は200万時間」といったコンシューマグレードのmicroSDにはない特徴を提供するともしている。

ISO 26262 ASIL-D認証を取得したLPDDR5 DRAM

一方のISO 26262 ASIL-D認証を取得したLPDDR5 DRAMは、1α-nmプロセスをベースに製造され、次世代の先進運転支援システム(ADAS)アプリケーションが求める信頼性を提供するという。

  • MicronのLPDDR5 DRAMのパッケージ外観

    MicronのLPDDR5 DRAMのパッケージ外観(提供:Micron)

現在、車載向けLPDDR5については、48Gビットおよび96Gビットで量産されており、システム的およびランダムなハードウェア故障を検出して警告する「独自のオンチップ安全機能」を搭載しており、問題が発生した際に、車両がインテリジェントに反応し対処することを可能とするほか、インテリジェントな車両が搭載するレーダーやLiDARなどの複数のセンサや入力からのデータアクセス速度を最大50%向上させ、高速な意思決定を可能としたとする。また、電力効率を従来比で30%以上向上させており、電気自動車などの走行距離の延長や排出ガスの削減などに寄与するとしている。

なお、Micronでは今回、IEC61508やISO26262などの国際安全規格取得の認証取得を行うExidaよりASIL-Dを取得。Exidaでは、今回のLPDDR5に対する認証取得に加え、次世代DRAMを開発するためのMicronのプロセス能力についてもISO 26262に基づいた認証を行ったともしており、Micronでは近い将来、ISO 26262に基づく車載ソリューションを追加発表する予定としている。