ウェザーニューズは6月8日、気象データと最新技術で企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する気象データサービス「WxTech(ウェザーテック)」において、日本の電気事業者向けに新たな風力発電量予測サービスの提供を開始すると発表した。同サービスでは電力取引時間や企業のニーズに合わせて、5分から30分単位の風力発電量予測データを7日先まで提供する。

  • 風力発電所のイメージ写真

    風力発電所のイメージ写真

送電事業者は、風力発電事業者が発電した電力を自社の送電網を通じて需要家や一般消費者へと供給している。この際には、送電網に流入する再生可能エネルギー(再エネ)発電量と需要量を想定して、需要と供給のバランスを維持することで送電品質を維持しているという。

発電供給量と需要の計画の誤差分は、市場から調達するか自社の予備調整力で補完する必要があり、再エネを含む発電供給量と需要の差が少ないほど送電運用コストが軽減されるため、精度の高い再エネ発電量予測が求められている。

そこで、同社は電力事業者向けに1キロメートルメッシュの風力発電量予測データを5分から30分単位で提供する同サービスを開始する。現在の日本の電力取引時間は30分間隔だが、企業の要望に合わせた時間での提供も可能だとしている。データはAPI(Application Programming Interface)での提供にも対応し、各社のシステムと連携できる。

同サービスでは、発電所の過去数年間の発電量実績データと当時の気象解析データを学習させたAI(Artificial Intelligence:人工知能)風力発電量予測モデルに1キロメートルメッシュの風の予測データを入力することで、風力発電量を予測する。このモデルへの入力値として発電機の高さに対応する地上60メートルから200メートルの風向および風速の予測データを用いることで、さらなる精度向上も見込めるという。

  • 1キロメートルメッシュの風速データの出力イメージ

    1キロメートルメッシュの風速データの出力イメージ