TSMCによると、2021年12月度の連結売上高は、前年同月比32.5%増、前月比4.8%増の1553億8200万NTドルとなったという。その結果、6四半期連続で四半期別での過去最高額を更新したほか、2021年通年の売上高も前年比18.5%増の1兆5874億NTドル(約6兆6617億円、1NTドル=4.17円換算)とこちらも史上最高額を更新したという。
Appleをはじめとする主要顧客企業からの旺盛な先端プロセスに対するニーズの高まりを背景に、売上高が伸びている模様である。
大手顧客が前払い金で生産枠を確保か?
複数の台湾メディアによると、AppleやQualcomm、AMDなどの大手顧客各社が2022年の生産枠確保のための前払い金をTSMCに支払った模様で、その総額は1500億NTドル(6000億円超)以上だという。
TSMCでは、こうした多額の前払い金を受け取ることで、年間を通じてフル稼働を維持するのではないかと台湾業界関係者は見ている。先端プロセスの提供で先頭を走る同社には世界中の半導体企業から注文が殺到し、生産枠の奪い合いが激化しているとされ、中でもHPC、IoT、ハイエンドスマートフォン、車載といった分野のメーカーが多額の前払い金を支払い、生産枠の確保を進めている模様である。こうした顧客からの年間を通じた安定的な需要が見込まれることから、同社の2022年売上高は前年比26%増を超す勢いで伸びる可能性があると関係者は見ている。