アルティウスリンクとELYZAは5月22日、生成AI技術を活用してコンタクトセンターのデータ活用を効率化・高度化する「コンタクトリーズン分類LLMアプリ」を開発し、アルティウスリンク提供のコンタクトセンター向けサービス「Altius ONE for Support」の標準機能として提供開始することを発表した。

両社は2024年から業界特化型のLLMアプリ開発を進めている。このアプリはアルティウスリンクが運営を支援し、「KDDIお客さまセンター」のコンタクトリーズン(問い合わせの理由や困りごと)データを基に実証実験を実施して開発した。対話やメールの要約、メール回答草案生成に続き、LLMを用いたコンタクトセンター領域の3つ目の業務支援アプリとなる。

  • 「Altius ONE for Support」標準機能のLLMアプリラインアップ

    「Altius ONE for Support」標準機能のLLMアプリラインアップ

アプリ開発の背景

コンタクトセンターでは日々多くの問い合わせや意見・要望など、さまざまな情報が蓄積されている。その中でも「応対履歴」は顧客の生の声を反映した貴重な情報源であり、商品やサービスに対する要望から潜在ニーズまで、顧客インサイトの把握につながると期待される。

しかし、効果的に活用するためには、データの「変換」や「加工」などの前処理に多大な労力がかかるため、多くの企業では活用が進んでいないのが現状とされる。

開発したアプリの概要

「コンタクトリーズン分類LLMアプリ」は、応対履歴を活用するためのデータの前処理を自動化することで、分析用データ整備の工数を削減しつつ高い精度で実行するという。音声認識システムでテキスト化された応対履歴を基に、「本人確認の有無」「対象商品」「問い合わせ内容」「回答内容」「コンタクトリーズン」などの構造化データに変換する。

これらのデータから同種類のコンタクトリーズンをまとめ、さらに分類し、分析しやすいデータに整える機能を備える。「KDDIお客さまセンター」における実証実験の結果では、高い精度の分類結果からアプリの有効性を確認しているとのことだ。

  • 「コンタクトリーズン分類LLMアプリ」活用イメージ

    「コンタクトリーズン分類LLMアプリ」活用イメージ

  • 分析結果の例

    分析結果の例