SK Hynixは12月22日、買収手続き中のIntelのNANDフラッシュメモリ事業買収に関して、中国の独占禁止法当局(State Administration for Market Regulation:SAMR)の承認を得たと発表した。

SK Hynixは2020年10月、IntelのNAND事業およびSSD事業を中国の大連工場を含める形で90億ドルで買収する契約を締結したことを発表。韓国、米国、EU、台湾、ブラジル、英国、シンガポールのそれぞれの当局から2021年7月までに承認を得ていたが、中国当局からの承認が得られず、買収の完了が難航していた。今回の中国当局の承認により、ようやく2021年末までに正式に買収できるめどが立ったこととなる。

この買収により、NAND業界のメーカーシェアは、SK Hynixがキオクシア/Western Digital連合を抜いて2位に浮上する。ちなみにSK Hynixは米Bain Capitalによるキオクシア買収の際に3950億円を出資し、キオクシアの14.96%の議決権(IPO時には14.96%の株式取得の権利)を所有していることから、今回の動きを踏まえ、今後、キオクシアに対する投資を減らしていくのか、それとも据え置くかが注目される。

なお、SK Hynixは中国無錫にてDRAM量産工場とファウンドリ工場を稼働させているが、今回の買収により中国大連のIntel NAND工場も入手できるため、自社製品をすべて中国内の工場から出荷できる体制を敷くことができるようになる。SK Hynixでは、NANDおよびSSDビジネスの競争力を強化するとしており、今回の動きを機に、Samsungやキオクシアとの競争が激化しそうである。