キヤノンと日本アイ・ビー・エム(日本IBMは)2日、芸術・芸能分野におけるボリュメトリックビデオ技術の活用で協業することを発表した。

ボリュメトリック(Volumetric:容積の)ビデオ技術とは特定の空間全体を3D化し、空間内のあらゆるアングルから映像を創り出せる技術で、キヤノンは昨年7月に川崎事業所内に「ボリュメトリックビデオスタジオ-川崎」を開設している。両社はこの従来とは異なる撮影技術を用いて芸術・芸能分野で協業する。第一弾として日本の伝統芸能である能楽の斬新な映像を公開している。

100台以上の4Kカメラと並列計算専用サーバー(IBM Power System AC922)や広帯域ストレージ(IBM Elastic Storage System)など先端機器を組み合わせ、能楽「葵上」(公益社団法人 宝生会監修)のボリュメトリック映像を構築している。メイキングには、演者が演奏すると数秒間でバーチャル空間を構築、スティックであとからカメラワークを自在に操る様子も描かれている。膨大な空間データから納得のいくまでアングルを変えながら映像を創り出せるため、かつて見たことのない能楽を体験できる。