NTTデータとNTT東日本関東病院は12月7日、NTTデータの胸部CT画像を対象としたAI(人工知能)画像診断支援ソリューションのプロトタイプ検証を共同で開始し、2021年1月から実際の診断プロセスに適用する本格検証を行うと発表した。

  • AI画像診断ソリューションの適用対象

  • 画面の例

同検証が対象とする胸部CTは、通常の健康診断などに加えて新型コロナ肺炎患者の重症度などの診断にも使用しており、胸部CT画像の効率的な診断業務での利用が昨今特に求められているとのこと。

そこで両者は、肺炎などを含む肺の異常箇所を胸部CT画像から自動検出可能というAI画像診断支援ソリューションを開発し、このAI自体の診断性能の検証に加えて、医師による実際の業務プロセスに適用した場合の負担削減の可能性についても検証することにしたという。同検証では、同社が開発した同ソリューションを使用して、同病院で撮影した胸部CT画像から胸部全体の異常箇所の自動検出及び診断性能の評価を行う。

対象データは、2020年1月から12月までに撮像した同病院の患者の胸部CT。検証方法は、学習済みの同ソリューションを使用して対象データを解析し、肺炎などを含む胸部全体の異常箇所の自動検出及び診断性能の評価を行うというもの。実証期間は2021年3月31日までの予定。

両者はこの検証の結果を踏まえ、実際の医師の診断業務で同ソリューションを使用した作業効率を向上させるための検討を進める。検証実施後の第1段階として、肺を対象としたAI画像診断支援ソリューションのプロトタイプの業務適用を2020年度から2021年度にかけて計画しており、本格的な導入を2022年度以降に検討している。

さらに、現在のアルゴリズムは特定疾患を特定するものではないとする一方で、検証の結果を踏まえ、新型コロナなどの特定疾患の特定も自動検出し、感染拡大予防及び医療現場の負担削減を目指す方針だ。