ICT市場調査コンサルティングのMM総研は11月12日、同社が2020年9月16日~10月9日にかけて実施した「GIGAスクール端末の選定における3OS評価と活用課題の調査」の結果をまとめ発表した。調査対象は小中学生の児童・生徒数が1万人以上の全国213の自治体で、電話ヒアリングなどを通じ126の回答を得ている。

同調査では、端末選定において文部科学省が標準仕様書に記載した3OS(Microsoft Windows、Google Chrome OS、iPadOS)の相対評価と端末選定後の課題について調査した。各評価項目の満点は50点で、「非常に良い」(50点)から「大変悪い」(10点)までの5段階評価としている。調査対象の213自治体の内、回答を得られたのは126自治体で、そのうち、すべての評価項目に回答した75自治体の平均点を項目ごとの点数とした。

その結果、Google Chrome OSが、「セキュリティアップデート」、「運用コストへの配慮」、「データ漏えいリスク対策」、「端末初期設定」、「アカウント管理」などのセキュリティ、運用管理にかかわる評価を中心に14の項目で最高点を獲得した。

また、Microsoft Windowsは「既存データ資産との連携」、大型モニタやプリンタなどとの「物理的な接続環境への対応」など4項目、iPadOSは「教育アプリケーションとの連携」、「授業中の利用における利便性」、「ユーザービリティとアクセシビリティ」の3項目で最も高い評価を集めたとしている。

  • 3OSの評価詳細結果 全評価項目に回答した75件から算出

次に、1人1台端末環境を活用する上での課題として11項目をあげたうえで、端末利活用での課題意識を調査したところ、教員の端末活用をサポートする「ICT活用サポートの充実」から学びの個別最適化をめざす「ICT活用の発展」の5項目で、8割以上の自治体が課題を感じていることが分かった。

  • 1人1台端末環境を活用する上での課題 n=126

また、課題に対して施策の立案状況を尋ねると、教員のサポート(ICT活用サポートの充実)、授業でのICT活用を除いた項目で対策を準備している自治体が6割を下回り、予算計画では多くの項目で5割を切る結果となっている。

  • 課題への対応-対策の立案状況 n=126

  • 課題への対応-予算見通し n=126