ヤフーは11月5日、同社が提供する事業者向けデータソリューションサービスにおいてAPI経由でアクセスできる新サービス「DS.API」の提供を開始した。その第1弾として、同社のビッグデータをブラウザ上で調査・分析できるツール「DS.INSIGHT」の機能をAPI経由で利用できる「DS.API -INSIGHT」をリリースした。これにより、DS.INSIGHTのデータと自社データを組み合わせた分析など高度なデータ利活用が可能になるという。価格は月額基本料(固定)10万円とAPI使用料(従量課金)で、API使用料はAPIごとに定められたリクエスト単価に応じて算出(1リクエスト1円~)。

  • 「DS.API」の概要

    「DS.API」の概要

同社では、昨年10月にDS.INSIGHTの提供を開始し、現在では企業・官公庁が活用しており、同ツール単体ではユーザー企業が保有するデータと組み合わせた深い分析を行うことは困難だったが、ニューノーマルにおいてデータ利活用の重要性が増すなか、さまざまなデータと組み合わせた分析をすることでデータの価値を高め、より多くのインサイトを社会や顧客に還元するため、DS.APIの提供に至った。

ヤフー 執行役員 CDO テクノロジーグループ データ統括本部長の佐々木潔氏は「事業者向けデータソリューションサービスは昨年10月末に提供を開始し、今年2月には当初目標の2倍の200社への導入を達成した。また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、ニューノーマルを迎えるにあたり企業、官公庁・自治体のデータ利活用に貢献できた」と述べた。

  • ヤフー 執行役員 CDO テクノロジーグループ データ統括本部長の佐々木潔氏

    ヤフー 執行役員 CDO テクノロジーグループ データ統括本部長の佐々木潔氏

DS.API - INSIGHTでは、自社のアプリケーションだけでなく「DS.API」が連携するBIツール経由でも利用することができるという。例えば、販売実績などの自社データとともにサービスや製品名の検索推移などを定点管理し、プロモーション施策の検討や効果測定などへの活用を可能としている。

ヤフー テクノロジーグループデータ統括本部 データソリューション事業本部長の谷口博基氏は、DS.APIについて「社内内で利用するBIツールや社内システムなどからヤフーのデータを直接取得し、連携した上で分析できる」と説明した。

  • ヤフー テクノロジーグループデータ統括本部 データソリューション事業本部長の谷口博基氏

    ヤフー テクノロジーグループデータ統括本部 データソリューション事業本部長の谷口博基氏

また、BIプラットフォーム「Tableau」との連携を開始し、すでに自社でTableauを活用している企業では、アプリケーション開発不要でDS.API - INSIGHTの利用が可能。なお、連携先のBIツールは今後拡大を予定している。

さらに、現在のDS.INSIGHTは1ライセンスごと購入する月額10万円(ライセンス単価10万円/月)の「スタータープラン」、10ライセンスパックで同50万円(同5万円/月)の「スタンダードプラン」、20ライセンスパックで同80万円(同4万円/月)の「プレミアムプラン」の3つのプランで提供している。今回、月々10万円で何人でも使える「全員DXキャンペーン」を11月5日から開始し、日本のDX化を推進するという。申込期限は2021年3月31日まで。

  • 「全員DXキャンペーン」の概要

    「全員DXキャンペーン」の概要

佐々木氏は「DS.APIと全員DXキャンペーンにより、広い範囲でデータ活用していけるような状態を作り、日本全体を可視化していきたいと考えている」と話していた。

今後のロードマップに関して、ソリューションパートナー向けAPIプラン「DS.API - INSIGHT for SP」の提供、DS.INSIGHTへの購買データ搭載、PayPay加盟店向けにDS.INSIGHTを提供していく考えだ。

  • 今後のロードマップ

    今後のロードマップ