さくらインターネットは10月15日、リモート接続ソリューションを手掛けるTeamViewerジャパンと共同で実施した、水中調査のリアルタイム情報共有に向けた実証実験に成功したと発表した。

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今回実施した実証実験は、さくらインターネットの組織内研究所であるさくらインターネット研究所が取り組む「いままで見ることができなかった情報や世界を見える化する」研究活動と、リモート接続ソリューションである「TeamViewer」により遠隔地とリモートで接続する機能を組み合わせることで実現したとしている。

同研究所は多様なセンサーやデバイスを通じた時空間上の情報収集と解析に取り組んでいるといい、水中調査はその取り組みによる成果という。

今回の実証実験では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策として社会的に求められるようになった移動制限に対して、スケジュールに遅延なく作業を進めるために、ITに不慣れな現場担当者とそれを遠隔支援する担当者をTeamViewerを用いてつなぐというシナリオを評価しているとのこと。

また、技術革新により作業現場で増大するデータとその転送の課題についても、遠隔地にいるデータ解析者がTeamViewerにより現地の端末から直接データ解析を行うシナリオも評価したとしている。

  • 実証実験で使用した装置類

同実証実験では、市販のライブ魚群探知機の映像をスマートフォンに搭載したTeamViewerアプリケーションを通じてリアルタイムに情報共有する形で実現したという。その際、これらの映像が4G/LTEモバイル回線を通じたインターネット接続であってもストレスなくリアルタイムに情報共有ができた。

  • 湖底の可視化

課題として、現場の臨場感を遠隔地により多く伝えるためには、追加の陸上ライブカメラやその他センサー情報や位置情報など、さらに多くの情報連携が必要なことを同社は挙げる。これらのデータを多角的に使用することで、現実世界とデジタル世界を接続するデジタルツインを実現するための活動を継続するとしている。