国際半導体製造装置材料協会(SEMI)は4月14日(米国時間)、2019年の半導体製造装置市場(確報値)が前年比7%減の597億5000万ドルとなったと発表した。2017年から2018年に起こったメモリバブルが弾けた結果、半導体メモリメーカー向けの出荷が減り、4年ぶりに前年実績を下回る結果となった。

地域別では、2018年3位の台湾が前年比68%増の171億2000万ドルとなり、前年1位の韓国、同2位の中国を抜いて一気に世界最大市場となった。2位は中国で、その販売額は134億5000万ドル。昨年トップだった韓国は前年比44%減の99億7000万ドルで3位に転落した。4位となった北米の販売額は前年比40%増の81億5000万ドルを記録し、3年連続の増加となった。このため、前年比34%減の62億7000ドルだった日本が、北米に抜かれ5位に後退した。欧州、その他地域の装置販売額はともに大きく減少した。

装置分類別では、ウェハプロセス用処理装置の販売額は前年比6%減となったが、その他前工程装置(マスク/レチクル製造装置、ウェハ製造装置、半導体製造装置用関連装置など)は同9%増となった。組み立ておよびパッケージング装置とテスト装置の販売額も、それぞれ同27%減、同11%減となった。中国向けは、組み立ておよびパッケージング装置を除くすべての装置カテゴリで前年比増となった。

SEMIは2019年11月時点で、2019年の半導体製造装置販売額を前年比11%減と予測していたが(図1)、確定値としては同7%減にとどまった。これは、半導体ファウンドリ大手のTSMCが2019年第4四半期に5G関連のデバイス増産のために先端プロセス向けの設備投資を行ったため、台湾での販売額が増加したことに起因する。

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    2019年および2018年の半導体製造装置市場販売高(地域別、単位:10億ドル) (出所:SEMI/SEAJ)

また、SEMIは2019年11月時点で、2020年の半導体製造装置市場を前年比6%増と予測していたが、新型コロナウイルスの感染拡大で、マイナス成長になる可能性が高いが、この問題がいつ終息するかめどが立たないため現時点では予測できないとしている。

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    半導体製造装置市場規模の推移と2019年11月時点の2019年と2020年の市場予測 (出所:Semicon Japan SEMI Market Seminar、2019年12月)

VLSIresearchは2020年の半導体製造装置市場の見通しをマイナス成長に下方修正

半導体製造装置の市場調査を行っている米VLSIresearchは4月中旬、2020年の半導体ウェハプロセス(前工程)用製造装置市場の見通しについて、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、これまでのプラス成長の予測を取り下げ、前年比6.8%減へと下方修正した。ただし、長期的には、5G、データセンター、AI技術の発展で半導体産業は成長を続けるので、前工程製造装置市場も年平均成長率5.5%で成長し、2024年には690億ドル規模に達すると予測している。

またアセンブリ(後工程)装置についても同7.9%減、テスト装置についても同7.1%減へと下方修正されているが、こちらも長期予測としては、アセンブリ装置は2024年に44億ドル規模(年平均成長率7.7%)。テスト装置は2024年に62億ドル規模(年平均成長率2.4%)になると予測している。