電通は1月22日、電通国際情報サービス(ISID)、VOYAGE GROUP、シビラ、角川アスキー総合研究所、朝日新聞社、スタートバーンとともに、ブロックチェーン技術を活用したコンテンツのマネタイズについて共同研究プロジェクト「n次流通プロジェクト」を開始することを発表した。

  • n次流通概念図

    n次流通概念図

現在、漫画やアニメ等のコンテンツで著作権が認められるのは原著作者のみで、あるコンテンツを元に別の新たなコンテンツを創作する「n次創作」に関する権利は認められていない。一方で、n次創作により一次創作流通時を超えた新規ユーザーの呼び込みがなされ、ユーザー拡大に貢献するケースも増えている。しかし、現状の著作権や流通システムではこれらを正しく評価する仕組みが整備されていない。

同プロジェクトは、電通内のR&D組織である「電通イノベーションイニシアティブ」が、原著作者ら一次創作者と連携し、原著作者とn次創作者の双方が受け取るインセンティブについて設計を行うことで、コンテンツの新しいマネタイズ可能性を検討するべく共同研究を行うもの。

この共同研究を進めながら、ブロックチェーン技術を活用し「n次流通」に関与したユーザーおよび製作者への正当なインセンティブ設計、コンテンツの価値を高めるn次創作活動の啓発、および信頼できるコンテンツとユーザーの関係性の定義を目的とした実証実験を、2020年3月に実施予定だという。角川アスキーは、同社が運営する「ePub viewer for twitter」サービスを通して協力予定とのことだ。

まずは対象を漫画コンテンツ(コマ単位もしくはページ単位)から開始し、次に映像コンテンツへと拡大予定とのことだ。

  • 実証実験で想定する漫画コンテンツのn次流通モデル

    実証実験で想定する漫画コンテンツのn次流通モデル