パナソニック システムソリューションズ ジャパンは11月29日、「プライベートLTEネットワークシステム」を開発し、2019年春からの商用提供を予定していると発表した。

総務省では、地域広帯域移動無線アクセス(地域BWA:Broadband Wireless Access)システムとして、地域の公共サービスの向上やデジタル・ディバイド(通信事業者によるネットワーク環境が未整備な条件不利地域)の解消など、地域の公共福祉の増進に寄与することを目的とした電気通信業務用の無線システムを制度化している。

そこで、同社では地域BWAを活用し、無線通信サービスを提供するプライベートLTEネットワークシステムを開発。

同システムは、(1)キャリアサービスが提供されていない主に地方部のデジタル・ディバイドを解消するネットワークの提供、(2)監視カメラ画像伝送など高速・大容量化のニーズに対応する地域ネットワークの提供、(3)新たなサービスとして各種IoTデバイスを活用する地域ICT化や安心・安全のための防災・減災対策ソリューションへの対応など、公共サービス向上のための共通無線インフラとして利用が可能。

  • プライベートLTEシステムの概要

    プライベートLTEシステムの概要

また、グローバルにおいても4Gの自営通信が2030年までに拡大していくことが見込まれており、同社では北海道の自治体における農業IoTの実証実験に参画するとともに、4月には電気通信番号(PLMN-ID)を取得しましていることから、専用SIMカードを発行・提供することが可能となっている。

同システムの特徴として「耐災害性」「高セキュリティ」「柔軟設計」の3点を挙げている。耐災害性についてはコア装置を集約型ではなくローカルコア化し、顧客先に設置することで災害に強い構成としたほか、災害時に運用監視センター(クラウド)との回線が切断した場合もローカル側のみで通信を継続することを可能としている。

高セキュリティについては、同システムで提供する専用SIMカードを入れた端末のみがプライベートLTEネットワーク内で利用できることから、高いセキュリティ性を実現できるという。柔軟設計では、運用に応じた優先度の制御(SIMカード毎のQoS設定など)により柔軟なシステム設計を可能としている。

用途としては、防災情報や地域情報の高度化(地域ICT化や離島への遠隔授業などのICT教育、遠隔医療などを含む地域包括ケア、テレワークなど)および農業ICTのインフラとしての利用をはじめ、地域ごとの特色に合わせた住民サービスの高度化に活用できるという。

今後、同社では地域BWAの活用に加えて、小ゾーンのsXGP方式への対応も予定しており、ユーザーニーズに合わせたエリア設計(室内や地下空間での利用等)を実現するとともに、今後の5G無線ネットワークにおいても自営で耐災害性・高セキュリティを実現するシステム開発に取り組んでいく考えだ。