今や名前を知らない人は少ないであろうEC業界におけるビッグプレイヤーのAmazon。今回、Amazonマーケットプレイスを活用する大阪の販売事業者3社について取材の機会を得たので、その模様をお届けする。

Amazonのビジネスは2つに大別される。メーカーや卸問屋を対象としたAmazon直販ビジネス、そして販売事業者と対象としたAmazonマーケットプレイスとなり、直販ビジネスとマーケットプレイスを合わせて日本国内だけで数億アイテムの品揃えを誇る。

Amazonマーケットプレイスは2002年からスタートしており、簡単に言ってしまえば出品サービスだ。同社の集客力で販売支援や専任スタッフによる出品時のサポートに加え、出品方法、機能、サービスの活用方法などを盛り込んだ無料オンライン講座「Amazon出品大学」、閲覧回数・購入数・売り上げをはじめとした重要な指標と、それらの推移を確認することが可能な各種分析レポートなどを提供している。

  • Amazon出品サービスの概要
  • Amazon出品サービスの概要
  • Amazon出品サービスの概要

2008年には配送代行サービス「フルフィルメント by Amazon」(FBA)を開始し、商品保管から受注処理、出荷作業、ギフトラッピング、カスタマーサービスといったオペレーション・配送・顧客対応サービスを同社が請け負うことで販売事業者が商品開発・仕入れ・マーケティング活動などに専念できるようにサポート。また、FBA海外配送プログラムも提供している。

  • フルフィルメント by Amazon(FBA)の概要

    フルフィルメント by Amazon(FBA)の概要

2014年からはスポンサープロダクト広告をスタートし、出品者が設定するキーワードや上限クリック単価に基づく入札形式でAmazon.co.jpに表示され、商品ページにリンクすることに加え、ユーザーが検索したキーワードに対して関連度の高い広告を掲載するため、購入意欲の高いユーザーに商品の訴求ができるという。さらに、広告のクリック時に課金し、広告効果の分析を可能としている。

  • スポンサープロダクト広告の概要

    スポンサープロダクト広告の概要

丸中の場合 - 「泉州タオル」

丸中(販売事業者名:タオル直販店ヒオリエ/日織恵)は創業から60年を迎え、大阪・泉佐野市で地場産業である「泉州タオル」の製造・販売を手掛け、直販店ヒオリエ/日織恵を運営している。

  • 丸中の本社社屋

    丸中の本社社屋

創業から40年間は問屋への受注生産に注力し、高度成長期を経て事業は成長したが、その後の景気後退に伴うデフレ環境下で縮小傾向にあったタオル業界に危機を抱き、2007年にECサイトを通じて一般ユーザー向けにタオル販売を開始し、2013年6月からAmazonマーケットプレイスでの出品をスタート(利用中のサービスはAmazon出品サービス、FBA、スポンサープロダクト広告)した。

丸中 常務取締役の中道啓太氏は「とにかく新規顧客の獲得に注力した。10円で販売するなど『目玉商品の拡散』、人の目につく『広告投資』、日本製に特化した『品揃えの充実』の3つに取り組んだ。これに加えて、ホームページの充実(買い物しやすい、品揃えが豊富、楽しい)とバックヤードの構築(欠品がない、配送が早い、正確である)を軸に店舗快適化を進めた」と説く。

  • 丸中 常務取締役の中道啓太氏

    丸中 常務取締役の中道啓太氏

これらの取り組みにより、ECビジネスの開始から10年で売り上げは190倍に拡大し、現在ではECサイト経由での売り上げが全体の95%を占め、今年からAmazon専用倉庫も稼働している。また、社員数も2017年には110人(2007年:10人、商品取扱数は3600点(2009年:1000点)と人員・事業規模ともに拡大した。

  • Amazon専用倉庫

    Amazon専用倉庫

現在、看板商品である「ホテルスタイルタオル」は200万人以上が利用しており、今後はECシェアNo.1を目指すという。また、10月17日にオープンを予定している商業ビル「なんばスカイオ」においてショップを旗揚げ、すでに同社のタオルが販売されている台湾に加え、将来的には韓国、中国をはじめとした東アジア地域で拡販を図る方針だ。

  • できたてホヤホヤの「ホテルスタイルタオル」

    できたてホヤホヤの「ホテルスタイルタオル」