BASFは、アジア太平洋地域を含む世界の自動車のカラートレンド予測を発表した。2018-2019年のテーマは「Keep it Real」(現実にしよう)で、現実と非現実の境界線が技術によって曖昧になっている時代に、本物を見失わずにいたいという人々の想いを背景にしているという。

  • |I@001.jpg,caption| 2018-2019年、カラートレンドのテーマは「Keep it Real(現実にしよう)」

    |I@001.jpg,caption| 2018-2019年、カラートレンドのテーマは「Keep it Real(現実にしよう)」

同予測は、BASFコーティングス事業本部のデザイナーたちが、人工知能、自動運転、ロボットによる工業化などのイノベーションに対し、人々のニーズや感情といった人間的な要素への回帰が重要視されるようになってきたと分析し、この動向を65色の自動車カラーで表現したもの。同社の分析によると、自動車は、カーシェアリング、アプリを使った配車サービス、自動運転により、個人の所有物から公共の輸送機関に近いものへと変わりつつある。シェアリング目的に設計された車の場合、ニュートラルなカラーが一般的に好まれるため、ホワイト、グレー、ブラックのようなカラーが重要な役割を果たすと予測されている。

また、今年のコレクションのトレンドキーカラー、グレー系はカラフルかつナチュラルなアクセントを加える複雑なエフェクトと組み合わさり、現実と非現実の融合を表現しているという。スクリーンやデジタルライトを映し出すブルー系は強く高彩度な色となっている。さらに、今年のコレクションの厳選カラーは、車体表面の温度上昇を緩和すると同時に、車内の温度上昇を抑える塗装システムが特徴的となっている。こういった新たな機能には美しい魅力をそこなわずに、最先端の機能性を備えたカラーやLiDARシステム用の高い反射性を備えたカラーなども含まれているとしている。

アジア太平洋のキーカラー

  • キーカラー アジアパシフィック- Gray Ambivalence

    キーカラー アジアパシフィック- Gray Ambivalence

アジア太平洋は、技術の進歩を称賛すると同時に、急速に変化する超効率的なデジタルコミュニケーションによって、現実での交流を求め、現実的な感覚を維持したいと考える人たちも増えているという。新しいグレー「Gray Ambivalence」(グレー・アンビバレンス)は技術の両面性を体現しており、日常への高性能技術の融合を表すギラギラ輝くメタリックグレーは、ソリッドフロップによりバランスをとることで、現実世界へのつながりを表現しているという。また、中国のキーカラー、洗練されたベージュグレー「Golden Sheen」(ゴールデン・シーン)は静かな輝きを放ち、人間らしい感覚と心地良い現代の生活をよく表現しているという。

北米のキーカラー

  • キーカラー 北米 - Atomium Sky

    キーカラー 北米 - Atomium Sky

北米では、科学、特に宇宙旅行への新たな熱意が生まれ、遠く離れた世界に注目が集まっており、現実とバーチャルな世界をつなぐもの、そして地球と宇宙の関係性が、程よい粗さを持つ深い高彩度ブルー「Atomium Sky」(アトミウム・スカイ)に表現されている。より長いグレージング角度で、よりソフトで、半透明な色合いを醸し出し、遊び心にあふれ、未来的な精神と先進的な考えを示しているという。同社が北米のキーカラーにブルーを選ぶのは、今年で2年連続になり、この地域でブルーの人気が高まっている結果とのことだ。

欧州、中東、アフリカのキーカラー

  • キーカラー 欧州、中東、アフリカ- The Urbanist

    キーカラー 欧州、中東、アフリカ- The Urbanist

欧州、中東、アフリカでは、現実の場所に新たな価値が見出されているという。デジタルな世界から少し距離を置くことが推奨されており、グレーの色合いが、このトレンドに後押しされている。グレーはコンクリートを連想させるカラーでもあり、都市生活を表すと同時に、触感的効果と結び付けられ、現実体験の重要性を示唆していると同時に、並外れて特徴的なエフェクトは、注目されたいという願望を象徴しているという。メタリックの無煙炭グレーである「The Urbanist」(ザ・アーバニスト)は、グローバルなネットワークでつながる、都会のコスモポリタンを表現するカラーであり、人間と技術の融合も表しているという。

南米のキーカラー

南米のカラーは地域の多様性と視覚的につながっており、自動車市場で最も人気の高い色域であるブラックとホワイトが、エレガントで様々な要素を含む自動車用塗料へと形を変えつつあるという。地域のキーカラーである「Coriolis Force」(コリオリ・フォース)は、何世代にもわたり受け継がれる伝統的な工芸品や知識に対する愛情、尊敬を表現している。赤みがかったゴールドフレークを使用することで、ダークな色合いに豪華さが醸し出されていて、強力な光源下では、この地域の真の美しさが現れるということだ。