日本ユニシスは5月8日、アグリホールディングスと食・農業分野での共同事業の可能性の検討に向けて、業務資本提携に関する合意書を締結した。

日本の農業においては、農業従事者の減少・食料自給率の低下・輸出入品との競争など数多くの課題がある中、ICTを活用した新しい農業技術開発・業務効率化、生産物の流通が進んでいない現状があると指摘。

そうした農業分野に向けて、アグリホールディングスでは日本での農業生産から海外へ食を展開するグローバル・バリューチェーンを強化すべく、日本、シンガポール、アメリカ合衆国の3カ国にて「生産、流通・輸出、海外での物流や店舗展開」と、川上から川下までの事業を展開している。

今回の提携により、両社はアグリホールディングスが推進している「農業の新規技術のソーシング・開発・導入、農業人材の育成、地方への人材供給、土地の集約などを通じて、農業生産力を向上するための事業」(「FARM BANK」)において、同社が持つ先端ICTとセキュアなビックデータ運用ノウハウを連携させた新たなサービスを構築することで、日本の食と農業の海外展開に貢献していく。

FARM BANKは「農業人材の育成と農業技術開発を推進し、日本農業の生産力を向上する」を理念に、農業生産事業・農業人材育成事業・農業技術開発事業の3つの事業を柱として事業の開発と展開を進める構想。2018年からは、生産者開拓を行いつつ人材・技術情報を集約し、生産者ネットワークを形成するほか、生産者ネットワークに新規性の高い技術を積極的に導入することで、圃場(ほじょう)管理を効率化していく。

また、生産者ネットワークに参画する生産者に対して利用技術データを提供する生産者の生産物買い取り、ならびにアグリホールディングスグループや生産者ネットワークへの販売に取り組む。

日本ユニシスは、アグリホールディングスとともに「食と農業のビジネスエコシステム」を形成し、連携する企業や団体とそれぞれの技術や強みを生かしながら、日本の農業に新たなサービス機会を創造していくという。