デルは9月5日、「Dell EMC VDI Complete Solutions」を拡充するHorizon Appsによるオプション「VDI Complete with Horizon Apps」と、NVIDIA Tesla M10およびM60 GPUグラフィックスアクセラレータによるグラフィックスの強化を発表した。これにより、企業・組織のIT環境におけるVDI(Virtual Desktop Infrastructure:デスクトップ仮想化)およびアプリケーション仮想化の容易な計画と導入を実現するという。

新オプションは、PCまたはシンクライアントへの仮想アプリケーション配信の導入を検討している企業・組織向けに販売し、ホストされている最大1400のアプリケーションに対応する高セッション密度により、多くのアプリケーションをユーザーに提供。同オプションは2017年後半に販売開始を予定している。

また、NVIDIA Tesla M10 GPUアクセラレータにより拡張されたVDI Completeエディションも提供する。CAD/CAMのような過酷なアプリケーションを利用するパワーユーザー向けカスタムオプションとして、M60 仮想グラフィックスも選択できるほか、NVIDIAのグラフィックス性能はシングルノードまたは最大4ノードのクラスタに追加を可能としている。

Nutanix搭載の「Dell EMC XC Xpress for VDI」など2製品も販売開始

今年のDell EMC Worldで発表した中堅中小企業向けのNutanix搭載のハイパーコンバージドアプライアンス「Dell EMC XC Xpress for VDI」および、データに対する完全なセキュリティと制御を必要とする外勤ユーザー向けの「Latitude 5280 モバイルシンクライアント」も販売が開始されている。

Dell EMC XC Xpressは、中堅中小企業でもNutanix ベースの環境を導入、管理できるようになり、サーバおよびストレージインフラストラクチャ、仮想化ソフトウェア、クラウドバックアップを追加購入せずに利用できる単一のソリューション。さらに、ハイパーバイザーとデスクトップブローカーの選択肢を提供するほか、中堅中小企業向けにVDI環境の導入、管理、実行に必要な機能を提供する。

主な特徴は「容易な導入と管理」「導入と拡張性」「豊富な機能と信頼性」。容易な導入と管理として、VDIにエンドツーエンドのアプローチを提供するため、経験値のあるユーザーであれば数時間で導入することができ、継続的な管理には Nutanix PRISM管理コンソールなどのWebベースのインタフェースを使用するため効率的だという。

柔軟性と拡張性については、ノード構成からスタートし、ビジネスニーズの変化に応じてアプライアンスを追加することで最大4ノードまで拡張が可能なほか、Citrix、Microsoft、VMwareのハイパーバイザーおよびブローカーテクノロジーに対応。豊富な機能と信頼性に関しては、3Uのラックスペースでアプリケーションおよびデスクトップデリバリを提供し、エンタープライズレベルの機能にはクラウドバックアップと、耐障害性のための自動復旧クラスタなどを備える。

一方、Latitude 5280は、Wyseシンクライアントの管理性、パフォーマンス、セキュリティをモバイルフォームファクタに統合。外出先におけるセキュリティ確保と生産性を重視して設計され、セキュアなデジタルワークプレイスを必要とするナレッジワーカーに適している。また、Windows 10 IoT Enterpriseをベースとするため、広範なアプリケーションと周辺機器に対応しており、日常的な業務をシームレスに完了できるという。

同製品は「エンタープライズクラスのパフォーマンス」「優れた接続性」「ソフトウェアの選択肢」の3点の特徴を持つ。エンタープライズクラスのパフォーマンスについては、インテル Core i5 プロセッサーと8GB DDR4 RAMをベースとし、長寿命バッテリーと12.5インチのフルHDディスプレイを備え、さまざまな設定で業務を容易にするオプションのドッキングステーションを利用することで4Kモニタにも対応する。

優れた接続性に関しては、USB 3.1、RJ45、HDMI、VGA ポート、WLAN、Bluetooth接続など、広範な周辺機器とネットワーク接続をサポート。これは、同社が提供するシンクライアントとして初めてUSB Type-C をサポートするだけでなく、3G/4Gセルラー統合(SIM カードサポート)も含まれるという。

ソフトウェアの選択肢では、Citrix XenDesktop、Microsoft RDS、VMware Horizonなどの仮想デスクトップブローカーに接続でき、Dell Threat Defenseを通じた脅威防御ソリューションによるセキュリティーレイヤーを追加することが可能。

Threat Defenseは、AIと機械学習を利用してすべてのWindowsシンクライアント上でランサムウェアやゼロデイ脅威などのマルウェアをプロアクティブに防止する高度な脅威防御ソリューション。

加えて、デバイスの管理にはリモート構成とポリシー管理を直感的な単一コンソールで提供するオンプレミス/クラウドベースのWyse Device Manager(WDM)またはWyse Management Suite(WMS)の利用を可能としている。価格は15万3000円(税別、送料込み)となる。