オランダのデジタル・セキュリティ企業であるジェムアルト(Gemalto)は6月19日(現地時間)、同社のセキュリティ技術をシンガポールのスマートロックおよび電子金庫のメーカーであるデスマン(Dessmann)が自社の新製品に採用し、スマートフォンがデジタルキーになるセキュアで利便性の高いスマートロックソリューションを発表した。

スマート・ロック・ソリューションのイメージ

新ソリューションは、ジェムアルトのマシン識別モジュール(MIM、Machine Identification Modules)とセキュア・エレメント(SE)を組み込んでおり、利用者はスマートフォンによるドアの施錠・開錠を可能とし、またデジタルキーを複数使用できるようになるという。

同ソリューションは、従来のスマートロックと比較してセキュリティを強化している。アプリを使うと、スペアキーや一時的に利用可能なデジタルキーをリモートで作成でき、例えば宿泊施設などでのキーの取り扱いの煩雑さを解消できる。

また、ドアを開錠した人の履歴の記録や、ドアが強制的に開けられようとした場合にアプリによるリアルタイムの通知が可能としている。

ジェムアルトによれば、スマートロック市場が今後数年間で急速に拡大するという。調査会社のTransparency Market Researchは、平均年成長率は18.3%に達し、市場規模は2016年の2億2670万ドルから2024年には10億1000万ドルに増加すると予測している。アジア太平洋地域は、生活水準の向上および物理的なセキュリティと安全性に関する意識の高まりにより、スマートロック業界にとって重要な市場になると見込んでいる。