NEDOは、「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)自動走行システム」において、2017年度から2年間、葛巻清吾プログラムディレクターのもと、自動走行システムの大規模実証実験を管理法人として推進すると発表した。
同実証実験では、技術開発や社会受容性の醸成を通じて、自動走行システムの実用化を加速することをを目的とする。
戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)は、2014年度から自動走行システムの早期実用化と普及を通じた交通事故の低減や渋滞削減、次世代都市交通システムの実現等を目指して、産学官共同で取り組むべき共通課題の研究開発を推進しているもの。2016年度からは、自動走行用の高精度な3次元デジタル地図である「ダイナミックマップ」、人とシステムの間で運転を交代する場合に安全、円滑に行うためのインタフェース技術である「HMI」、「情報セキュリティ」、「歩行者事故低減」、「次世代都市交通」を特に重要な5つの技術領域を定め、これらに重点を置いて検討、開発に取り組んでいる。
SIP自動走行システムにおいては、自動走行システムに関する技術開発に取り組む様々な国内外の自動車メーカーや関係企業等多彩なプレイヤーの参加を広く募り、従来の個別技術の試験よりも実環境に近い環境での実証実験を実施予定。NEDOはその管理法人を担う。同社は、2017年度から2年間、葛巻清吾プログラムディレクターのもと、自動車専用道路や一般道路といった公道等で大規模実証実験を推進していくということだ。
また、同実験では、人と自動車、また自動走行可能な自動車と既存の自動車が共存する交通環境下にて、実用化に向けた実証実験が実施される。SIP参加者のみならず多彩なプレイヤーが参加することで、新たな視点を獲得することも重要な課題という。そのほか、海外メーカーにも公開し、日本から発信することで、国際連携・協調を先導したり、イベントへの一般市民の参加を促すことで、社会受容性を醸成することも課題として挙げられているということだ。
今後の予定としては、2017年4月上旬よりNEDOのホームページにて、大規模実証実験等の委託先の公募が行われる予定となっている。