グーグルは、YouTube Space Tokyoが2月15日に開設1周年を迎えたことに合わせて記者説明会を行なった。YouTube Space Tokyoは、制作した映像をYouTube上で発信するクリエイターのために提供されている。

同スペースは、構想から撮影、編集、アップロードまで、オリジナル動画コンテンツを制作するクリエイターのために設置された施設で、ロンドンやロサンゼルスの次に設置された世界3カ所目の施設。

この1年間で1000本以上のオリジナル動画が制作され、総再生回数は4700万回以上にのぼるという。また、同スペースを利用するクリエイター同士がコラボレーションを行ない、350組以上が新たな取り組みを行なっているという。

同スペースを利用するためには、オリジナル動画を収益化する「YouTubeパートナープログラム」に参加する必要がある。ただ、そこに参加してオリジナル動画をアップしてさえしていれば、目的に応じてWebサイトからの利用申込が自由となっている。

その上、同スペースでは打ち合わせや交流のために利用できるラウンジアクセスが用意されているほか、スタジオやレコーディングルーム、編集室などが全て無料で利用できる。余談だが、コーヒーなども無料で飲めるようだ。

合成用のグリーンバックスタジオが用意されている。同じスタジオには何故か教室のセットも

様々なシチュエーションのスタジオが用意されている

この日は偶然オーストラリアのユーチューバーであるKim Daoさんが来日していたため、記者会見に合わせて同スタジオを利用していた。さんはメイクアップ動画をアップしているユーチューバーで、親日家。日本の街や文化が好きなのだという。

編集室とクッキングスタジオ

メイクアップ室とニュース用撮影スタジオ

また、クリエイターが快適に同スペースを利用できるよう、様々な撮影、編集機材を用意しており、2月からはスーパースローモーション撮影カメラ「PHANTOM」も導入した。このような機材を導入することで、「新たなクリエイティビティ溢れる動画を撮影して欲しい」というのがグーグルの狙いだという。

ほかにも、海外進出支援策を同スペースでは行なっており、クリエイターに対して国内と海外で好まれる動画の傾向が違うことのレクチャーや、ロサンゼルスのYouTube Spaceへの渡航支援をしている。

なお、クリエイター向けにYouTubeを活用してマネタイズするためのワークショップや特別イベントも随時開催しており、YouTubeで生計を立てる「ユーチューバー」の育成に積極的に取り組んでいる。

すでにYouTube Space Tokyoを活用している「ユーチューバー」の中でも、日本で一番存在感を発揮しているのは「劇団スカッシュ」だろう。彼らは自分達のショートストーリーを公開するだけではなく、ダスキンやアイフルといった企業とのコラボ動画も制作している。

制作にあたってはSpace Tokyoでつちかった経験も大いに活かしているといい、人気シリーズ「隙間男」のチャンネル総再生回数はSpace Tokyo利用前に比べて約3倍に上昇したという。

グーグル YouTube コンテンツオペレーションズ アジア太平洋統括部長 デーヴィッド・マクドナルド氏

質疑応答では、「ユーチューバー」が国内でどれほどいるのかとの質問があった。これに対してグーグルでYouTube コンテンツオペレーションズ アジア太平洋統括部長を務めるデーヴィッド・マクドナルド氏は、「正確な数字は把握していないが、それなりの数が出てきていると思う。紹介した『劇団スカッシュ』の場合は、直接企業とやり取りを行なって広告動画を制作したが、それとは別にGoogleとしても広告主や代理店に対して説明会を開き、クリエイターの動画を紹介する取り組みを行なっている」とした。

最後に、「YouTubeで今後、どのようなクリエイターに出てきてほしいか」との問いには「もちろん色々なクリエイターに出てきてほしいが、日本のYouTubeには独自ドラマやコメディ、そしてニュース配信が少ない。もちろん各国に特色はあるが、このYouTube Space Tokyoを利用して発進力を高めてもらえれば」と語った。