FreeBSD - The Power To Serve

2013年9月にマルタで開催されたEuroBSDCon 2013で併設されたFreeBSD開発者会議での議論内容が「EuroBSDcon 2013 Developer Summit Special Status Report」として公開された。デスクトップ、DNS、ドキュメント、組み込み、ネットワーキング、Ports Collection、パッケージ、セキュリティ、ツールチェーン、ビルドシステム、USB、ベンダ会議、仮想化技術、ZFSなどに関する議論内容がまとまっている。FreeBSDの今後のリリースで登場する機能を知る上で参考になる。

DNSに関する議論ではFreeBSD 10ではBINDがベースシステムからは取り除かれること、BINDの代替となるソフトウェアはFreeBSD 11での導入を目指していることなどが報告されている。FreeBSD 10にはunbound(8)が導入されるが、これはローカルリゾルバとしての機能を目的としており、DNSサーバとしての機能が必要になる場合にはPorts CollectionやパッケージからBINDなどのソフトウェアを導入する必要がある。また、BINDの削除に合わせてベースシステムからdig(1)も削除されており、これに代わるコマンドとしてdrill(1)が導入されたことも言及されている。

FreeBSD 11ではBINDに変わるソフトウェアの導入を目指すとしており、その条件として議論されたものとして次のような項目があげられている。

  • アプリケーションレベルでAPIが標準化されたものであること
  • キャッシュ機能の提供
  • リゾルバライブラリの提供
  • Capsicumによるコンパートメント化が可能であること
  • ユーザごとのポリシーが設定できること
  • Caspterデーモンと統合可能であること
  • BSDライセンスであること
  • 軽量で高速であること
  • スレッドセーフであること

パッケージではpkg_install(8)と次世代パッケージ管理システムのpkg(8)に関する言及があり、同時に2つのパッケージ管理システムをサポートするといったことはせず、今後はpkg(8)へ移行することが説明されている。