NTTは、総務省の委託研究「ネットワーク仮想化技術の研究開発」において、世界最高性能を持つSDN対応ソフトウェアスイッチのプロトタイプ開発に成功したと発表した。

このプロトタイプでは、データセンターなどの企業独自のネットワークへの導入が始まっているSDNを、通信事業者やインターネットなど広域ネットワークに適用するために必要な要素技術として、大規模フローテーブル設定時においても、高速パケット処理を可能とするSDN対応ソフトウェアスイッチを実装した。

10万行のフローテーブルを設定した場合において、パケットヘッダの書き換えを行いながら10Gbpsのワイヤレートの転送速度(ロングパケット転送時)を達成する高速パケット処理を実現しており、同社によれば、SDNソフトウェアスイッチとして世界最高性能レベルとなるという。

本プロトタイプの目指す領域と対象となる範囲

プロトタイプは、Flexible parallel Flow processing Framework(fff)を採用することにより、高速なパケット処理が可能となり、ソフトウェアをユーザー空間における実装を採用し、ユーザー空間でも十分な性能が得られるように処理の並列化を行っているという。 また、最初にフローを識別し、次に並列化されたパイプラインでパケットの処理を行うことで、高速化を実現。フローの識別においては、パケットの順序逆転が起きないように、各パイプラインへの振り分けを行い、マルチスレッド対応とした。

そのほか、各パイプラインの中では、SDNで求められる、ドントケアを許容し、複雑な検索条件にも対応可能なフローテーブル探索のために、新たなアルゴリズムを考案した。この検索アルゴリズムを採用することによって、大規模フローテーブルを設定した場合においても、著しい速度低下を起こさずに、高速な検索が可能となったという。

本プロトタイプのアーキテクチャ

同社ではデータセンターから広域ネットワークへの応用を想定し、さらに大容量のフローに対応できるような拡張を図り、さらなる高速化を目指すための研究開発を進めていく。また、各種プロトコルへの対応、高信頼化機能および管理機能の研究開発を進め、信頼性・運用性を高める予定だという。